■ MUKU-DATA 黒柿 1.1m 巾200~300mm t35mm 未乾燥材 木裏

何度も言うが弊社に極上の黒柿の在庫はない。。。
極上となると高過ぎて手が出ないし
丸太もそんな高い丸太を買って製材後使えるようになるまで乾燥させる術を知らない。ハイリスクでローリタン😱
黒柿に関しては、ほんとあれこれと皆さん言われる事が違っている。
ベターな方法があるのかもしれないが失敗の繰り返しの末に出た結論を
そう易々と教えてはくれないのかもしれない。

材種の事を一通り覚えてくると、多くの皆さんが一度は通る黒柿の道
自身も一時、この縞模様に魅了され小さな材や丸太を買っていた事があるが
どれも乾燥過程で割れたり反りが大きかったり、虫も入り易く
扱い辛い材種の一つかと思う。

黒柿に関して調べていくと「水中乾燥」というワードが出てくるが
実際に水中乾燥していた人の話では
貯めているプールが臭くなるので水を小まめに変えた方がいいと言っていたが、
溜め池の水の方がいいとか、小川にチェーンに繋げて沈めているとか・・
色々な話を聞く。
自身は水中乾燥を試みたことはないので答えは持っていない。

製材され市場に出てくる板の多くは全面に割れ止めをべったりと塗られているものが多い。
製材直後、製材直後割れ防止、
更に割れ止めを塗ることで杢目もクッキリして見栄えもいいので
皆さんそうしているのだろうけど
それが果たしていいのかどうか?

丸太を製材後、割れ止めを全面塗って尚且つ反らないように桟済みした黒柿の上に
重し代わりに別な板類を載せているが
それでも反ることもある。柿の反る力は強い。
反れない板は逆に力の逃げ場を探して板が大きく割れてしまう。

本社脇の保管庫にも小さめの黒柿の板を数十枚置いて観察している。
割れ止めを塗ったもの、あえて塗らないもの
製材後半年~1年程度の大きく反る手前の半乾燥のもの数枚プレナー掛けしたものもあるが
そちらの木の方が反りは少ない。
丸太によって個体差はあるのだろうけど
何が正解か、、、何が一番いいのか、、現在進行形で観察している。

先日一枚板を多く扱い高周波プレス機を持っている同業者さんと話をしている中で
高周波プレスに関しては共木の2枚を一枚はプレスして、もう一枚はプレス無しで
削り加工した後の反りの様子を見ているが
残念ながらプレスした一枚板の方がその後また反りが生じていたのだが
先日の話の中で、あまり天然乾燥し過ぎた板は高周波プレスの効き目が薄いような話をされていた。
なるほどなぁ・・確かにそれも一理あるだろうなぁと思った。

黒柿に関しては、もしかして割れ止めを板目に塗り
半年~1年程度のまだ乾ききらない半乾燥な状態で
一旦、高周波プレスに入れると意外とその後反りは少ないのではなかろうか・・?
コストアップにはなるが割れずに癖が抜けるのであれば
それもありかもしれない。

製材後に暫く経ってしまった短めの黒柿、
桟積みしてその上に別な材の山を重しとして置いていたので反りは少なめだけど
既に割れが生じてきている。
この板たちを今度はどうしようと思ったが
今回は樹皮の皮も剥がさず、割れ止めも塗らずに室内で観察する事にした。

因みに両端の辺材部分の耳はどの材種でも言える事だが
落とした方が板の材面での収縮の差が小さくなり反りも少なくなるので
黒柿は両耳は落とした方がいいのだろう。

細かな極上の杢であれば、木工など部材にも役立つのだろうが
如何せん、なかなか黒柿の良材は出てこないしあっても高い。
こういった大柄な杢目は割れたら何へ向けるのがいいか?
割れずに反らずに乾燥させる為にもう頼るのは木の神様へ唱える呪文しかない・・?

一枚でもダメージ少なく乾いてくれたならラッキーか。。