MUKU-DATA  黒柿に一部手を入れた模倣品

以前は半ば観光なような感じで、ここの銘木類の数々を眺めていたが、
どうしてもじっくり見たくて今度は一人でその建物と銘木類を観にいってきました。

ん? 少し老眼気味になっているので眼鏡を外して、
よくよく見れば、書かれている形跡ありです。
(黒柿は黒柿なのですが、黒が少ないので描かれています)

今でもそうですが、床柱など唐木はどうしても割れが入りますので
製造の過程で、補修をして色を入れる、
黒柿、シャム柿に関しては少し絵を描く事もあるようです。
黒柿の床柱なんかは、良く良く見れば補修して描いた跡がわかります。

当社にも一つ、黒で描かれた模倣品の落し掛けがあります。
本物と模倣品を比べてもらう為に置いています。

今のシート貼りの建具の印刷と色付け技術は本物かと見紛う出来栄えですが、
当時はいかに自然に写実的に描けるか?だったのでしょうか・・・?
技術の一つといえば一つですね。

何故に、この暗い場所に贅沢に柿を使ったのか?
建築当時、十二分に資金があったはずなのに良材を探せなかったのか?
あえて絵師の遊び心なのか?

想像は膨らみます。

自然が作り出した鮮やかなブルーも眺めてきました。
本物には、やはり心がうたれます。
(目下のところ敵は老眼)

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