MUKU-DATA 渡り廊下:松一枚板

本堂と庫裏を繋ぐ渡り廊下の改修工事の依頼をいただきました。
ここは当社創業の曾爺ちゃんや先祖が眠っているお寺です。

昭和以前に作られたであろう渡り廊下を解体して再度同じように作る工事です。
お寺様の廊下板は突き板貼り(下地はベニヤ)の縁甲板を良く目にします。
見た目もキレイですし、メンテナンスも容易いでしょうし、予算的な事もありますでしょうから、
既製品の表面強化塗装された材料を選択するのは無難な事でしょう。

既存の松板を再度使用する事、無理なら腰壁に、など検討しましたが
表面から全て釘打ちされていたり、部分的に白蟻に食われている事など
御住職様とも相談したところ、既製品の縁甲板で良いという話になっています。

多くの人が歩いた歴史を刻んできたこの黒光りしている松の一枚板。
このまま解体されて焼却処分される事が何だかしっくりせずに整理もつかず、
昨夜も布団の中で何かいい方法はないかなぁと考えていました。
来週には解体工事がはじまります。
何に使うか、どうするか、答えは定まりませんでしたが
今日、急遽一枚一枚釘を抜いて大工さんに剥がしてもらいました。

特別に高価なものではありません。
再度使用するかどうかも決っていません。
釘穴も開いています。

でも何だか、ホッとしています。

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