
■ MUKU-DATA 脚:木の根の流木 天板:クラロウォールナット W様
一枚板を受ける脚材
これはまだまだ改良の余地が多く、この天板にはこの脚を使うことで更に良く見えたりするものもあるのかと思う。
脚材に関してはずっとテーマの一つだが、
天板の邪魔にならず天板と脚がほどよく調和する鉄脚が現在も主流となっている。
これはコスト面なども影響しているのだが
予算的に余裕があれば板脚など考えて木工所と相談しながら製作してもらいたいとも思うのだけど・・
ネットで探していると鉄脚で安いものだと1万円以下のものが出てくることもある。
鉄脚だと主には角パイプが使われている事が多いけど
弊社の場合は特注で平鋼のソリッド、黒皮を使う事が多い。
コストを含めたトータルで、ここから脱皮できずにいる。
脚単体で見ると、良い脚だね、かっこいいねって脚もあるのだが
そこに耳付き一枚板天板の載せるとどうもバランスが良くなく
一体の見え方がいまいちだなぁという脚もある。
どうしても一枚板天板に予算が奪われて脚はそのテーブル一体として見た時には
全体を形作る重要な部材なのだが、そこにかける予算がなくなっている事が多い。
最近の住宅でいうところの庭みたいなものかと思うが
庭屋一如、庭あっての住宅、住宅と庭が一体となってはじめて全体が調和するように
一枚板天板の脚材も実は天板以上に大切なものかと思っている。
昨日Wさんの所にちょっとした仕事の頼みごとがあって
買っていただいていた一枚板(クラロウォールナット)も一緒に配達してきた。
Wさんは結構一枚板の在庫を持っているので
なんで今更このクラロなんだろう・・?とは思いつつ
使っていただけるのはありがたい事
仕事の話を終え、このクラロに関しての話になって、
ようやくなんでこのクラロだったのが理解でき、なるほど!だった。
Wさんは塗装もやるし、レジンもやるし、木工もできる。
工場はもう塗装屋さんなのか木工所なのか、材木屋に見えなくもなく・・
木で何かを作ることをいつも考えている感じ
この根っ子の流木は海岸から人力で一人で砂浜を引きずりもってきたのだと
数年前に聞いていた。
これだ!って思ったんでしょうね、
これしかないっていう時、人は通常以上の力が出るものと苦笑していた。
それから数年、この根っ子の流木をどう活かしてやろうかと
毎日眺めては考えていたんでしょうね。。
最近、いよいよこの流木を使って一枚板天板の載せる為の脚材として
使う事にしたらしい。
工場には天板にできる一枚板が20枚前後あるように見えるけど
実際にそれぞれの板をこの根っ子の上に載せてみたけど
どれもピンとこなかったらしい。
なるほどねぇ・・
普通、別な場所の弊社の木材倉庫にあったこのクラロを
この脚に載せたら多分イケるんじゃないか?って
大きさや全体のバランスなど現物通りに想像するのはなかなか難しいのかと思う。
実際に在庫の板を何枚か載せながら検討して
頭の中にリアルな大きさや質感、形など明確だったからこそ
この一枚を選ぶことができたんだなぁと分った。
自分なんてよく外すもんね・・
弊社の倉庫にある木は毎日見ているからある程度は頭に入っているけど
その対象物なる空間、置かれる場所は図面上でしか見ていない事が多いから
お届けして設置してみると、想像した感じとは違ったってことは良くある話で・・
よくこの根っ子の脚にバシッと合せられるねぇ、特殊能力だねぇ~って感心していたけど
実際は何枚か置いて見て色々とやってみての事だったんだねとちょっと安心した。
流木っていっても色んな形があるし、
一枚板も少し変形したものはいろんな形や色、材種がある。
実際にこの少し変形して元に割れも少し入ったクラロウォールナットだったが
とても良い感じに見えた。
天板の元のちょい割れの部分にはレジンを使い
その他はほぼこのままの形で作るらしい。
根っ子の脚にはクリアなのか?少し塗装することで色も濃く重くなり
全体にもっと締まった感じになるかと思う。
毎日毎日、木と向きあい無言の対話を続けてきたからできること、
木が好きで作ることが好きだからできること
唯一無二の1点物ですよね。。
同じ物が欲しいからもう1台作って欲しいとお願いしてもほぼ作れる可能性はないよね。。
完成が楽しみだし、
これって売り物なの??
売るとしたらいくらにするの??
ワクワクしなら仕事に向き合う姿をみているとイイ刺激にもなるしとても嬉しくなってくる。






今はどうつくるかバランスをみる為に片側に鉄脚を置いているが
完成形は根っ子の流木を左よりに置いて
そこから斜めに鉄を使って方杖のように斜めに天板下で受けるらしい。

こんな感じかな・・?

