
■ MUKU-DATA 左から神代杉、槐、黄檗(キハダ) 生材
最近の一枚板が多く並ぶ市場では木の樹皮部分を剥がし
表面が分かるように電気鉋等で木表面を削った状態のものが多い。
8~9割程度はそのような状態で並べなれるようになった。
以前は、挽きっぱなしの耳の部分には樹皮が残ったままの一枚板も多かった。
辺材の樹皮を剥がすのは一苦労で、伐り時によっては虫も入り易いので
樹皮の部分は電気鉋や電動斫り機など使い削り落とされているものも多い。
出来る事なら、丁寧に樹皮を剥ぎ取り天然のままの耳を残しておいた方が
いい材も多くあるのだが
自身も皮剥がしを時々行っているので丁寧に剥がすのは一苦労・・
場合によっては1枚剥がすのに1日で終わらない板もある。
桜だったり、樫の木だったり、、、手強いものが多い。
丸太から製材、板挽きされた生材は当然乾燥していない。
木は乾燥して初めて使う事ができ材木=材料として使える材木となる。
乾燥過程では割れたり反ったり・・・
木偏に反るで木反=板
全く無傷で割れず、反らずに乾燥してくれる木は
板類に関しては1~2割程度で殆どが乾燥過程で何かしらの癖が現れてくる。
癖はあって当然だが、木を部材として使う側の人間からすると
少し厄介なので、なるべく癖を押えつつ素直に乾いてくれる為に
あれこれと試行錯誤を繰り返す。
あぁ・・この木は癖が強そう・・
ってのは出来る限りの処置を施して数年間寝かせる。
数年経て木材倉庫に並ぶ一枚板はそうした目に見えない過程を経ている。
今日も手入れは続く
これは木裏の部分にも割れ止めを塗ろう。
巾広の一枚板に少し反りが出てきているのでこのまま乾かすと
更に反るであろうから一番下にして上に別な板類を載せ重しとして癖を抜こう。。
この板は桟積みせずに木裏で立て掛けておこう・・
材種別、個体差別の一枚一枚違う特性をもった板類の判断は
経験と勘で仕分けしながら地味な作業を続けている。
気づけばあと数年で還暦だ😥
本当の意味で木を知り扱う事は一代では完結出来ないなぁ・・



