MUKU-DATA  クマル一枚板 4.6m~5m 

この秋に中南米材を扱う商社さんが来られ、
モンキーポッドと共にこのクマルという名の材も勧められ、
まぁ試しにと少量取ってみた。
モンキーポッドは当初は色の濃い材で・・となると
ウォールナットとなるが金額が高めなので、では(当時は安かった)モンキーPで。。と
広がりを見せ、現在はウォールナットはWナットの良さ、モンキーポッドはモンキーPの良さと
代替品的立場から脱した感はあるが、木の質感や木目は全く違う。
そしてのこのクマル・・ クマルって何ぞや?
調べてみると別名:イペシャンペーン・・どこかで耳にした事があるなと思いつつ
イペに似ている事から高級デッキ材のイペの代替品的立場のデッキ材として
流通している材であることがわかった。

材種のネームバリューがないと人気がないから安い
需要と供給の原理なんだろうけど、何だかおかしな話でもある。

別例としては、花梨、花梨は当時から赤い木では高級材の部類だったが
花梨が使えないと一枚板では代用でブビンガ、
床材だとケンパスやピンカド、メルバウなんかも代用された。
ご多分に漏れず、ブビンガも今では高級材の仲間入り、
花梨とブビンガが色は似ているようでいて非なる物。

さてこのクマルの運命は如何に・・・?といったところか・・
クマルはクマルの良さがある!っていう事になっていけばいいのだが。。

初めて扱う材なのでこのクマルの特性を良くしらない。
材面を見ると小ヒビが不規則に出ている。
先日のイタウバもそうだったが、中南米材の特徴か?

蝋で両木口のみ割れ止め処理はされているが、
全体に小ヒビが出そうな気配なので昨日再度割れ止めを施した。
割れ止めの塗り方は、それぞれの材種によって変えている。
不必要と思われる箇所には施さない。経験値と勘、
この木がどう割れようとしているか?割れたがっているか?
良く観察しながら材種と個体ごとに手入れをしている。

クマル一枚板のデビューは3年先か?

話は少し逸れるが、先日新潟県木材組合連合会でオンラインセミナーがあり、
視聴していたのだが、講師の方の話の中で
天童T.Sドライシステム共同組合の話をされていたが、
人工乾燥を行う事で木が本来持っている調湿機能が極端に失われるという。
伐採時期、葉枯らし乾燥、天然乾燥、トレーサビリティ・・そして山へ十分な利益を還元するという循環を作られているという。

これって本来、ついこの間まで当たり前に行われていた事で、
プレカット加工ができて、1週間後にはポンと上棟ができるみたいになってから
とにかく早く、安く、人工乾燥材、量産へと変わっていった経緯がある。

人工乾燥材を否定する訳ではないが、
なんか変、違和感ある、・・ っていう人の持つ木に対して直感は
まんざら間違ってはいないように思える。

木を乾燥機に入れ、今ではプレス機にまでかけ、
使いやすいようにキレイにカットして整列させて店頭に値札を付けて並べられる。
木、なんだけど、木じゃないよなぁ・・って見えてくる。
同じ生物として人の支配下に置こうとすること自体が無理な素材なのかもしれませんね。。

人工乾燥、高周波プレスとお誘いも多いし、他方の視点から見れば利点も沢山ある。
全てが絶対に天然乾燥材に拘っている訳でもないのですが、
自身を含めたそういった矛盾との葛藤の中で、日々木を扱っている訳でして。。。

いつか矛盾が大きくなり耐えきれなくなったら、スパって木の事を止めりしてね・・