MUKU-DATA  神代欅の杢目  

これは何杢っていうんでしょうね・・
泡杢や玉杢の変形型でしょうかねぇ・・・

プレナー(鉋)をかけて表面を削りしばらく木材倉庫にある材ですが、
何度見ても飽きません。
あれ?こんなだったっけ?と毎回違った表情に気づかされます。
木の木目って不思議ですよねぇ・・
人よりも長くじっくりと厳しい自然の中で数百年単位で生きてきた訳ですから、
板にされたその断片は、早々に見飽きてしまうって事もないのでしょう。。

良く見れば見るほど、輝きを増して見えてくる。
触ってあげると更に見えなかったその表情が見えてくる。
それは表面的なものだけではなく、
そこに感情移入して更に深い杢の世界へ引き込まれていくような感覚です。

毎日毎日、材たちに触れていますが、
未だその深みから抜け出すことができず更に深くDEEPなところへ
引き込まれ続けています。





これは鳥海山の神代杉の柾目の部分
極上の柾目といえば末から元まで真っ直ぐに細かく通った糸柾と言われていますが
この神代杉の柾目はグニャグニャと動いている柾目
微妙に色も違っていて
なんだか流れ落ちる滝みたいに見えたり・・・

神代ではなくても杉は角度によって銀に輝く木目を持っているものがありますが
その銀に神代色がプラスされることで更に魅力ある色合いに見えます。
この神代杉は2500年ほど鳥海山の麓で埋もれていたもの。
柾目で巾900mmほどありますから推定の丸太の大きさは直径で3m前後あったものと想像できます。
樹齢は300年ほど?それ以上?
すると2800年ほど前にこの世に生を受けたことになります。
果てしなく遠い・・・  
想像もできない遥か昔に埋もれた杉ですが
いまだに香りはあの杉の香り、そして銀の特性も残っているって
やっぱり木は凄いなぁ・・と思わずにはいられません。



これは神代欅、新潟県産(阿賀野川付近にて)
何年地中に埋もれていたかは調査されていないのでわかりません。
まさに自然が創り出してくれた造形美です。