MUKU-DATA スポルテッド榎(エノキ 別名:ヨノキ、ヨノミの木など)


以前スポルテッドエノキ一枚板の手入れの際にも触れたが(榎スポルテッド
お客様の大切な思い出の詰まったヨノミノキを敷地の奥から搬出することができて、(造園屋さんが表まで人力で出してくれたそうです)
1か月ほど前にその丸太を引き受け、昨日漸く挽くことができた。


お客様は木の持つ雰囲気やそれが放つオーラのようなものが好きそうで
(お話しているとなんとなくそう思う)
材種云々というよりは、それ自体が個別に持っている佇まいや見え方に
意識が向いているように感じます。
製材前に、こんな感じで挽けますかと木の塊の写真が送られてきて
何の木はわからないが、殆ど加工されていないぶっきらぼうな木の塊と人が
写っている写真だったが、そこに置かれた木がとても印象に残っている。


スポルテッド材に関しては最近自分なりに丸太や木口等観察していて
だんだんと分かってきたのですが、
一部剥がれた分厚い樹皮の丸太の肌が墨を塗ったように黒く変色していたので
挽いたらある程度スポルテッド模様が出そうだな・・と思っていた。
これは以前スポルテッド栃の丸太の皮を剥がした部分も同じように墨が塗られたように黒くなっていた時と同じような感じだった。

エノキはスポルテッドが出易いと聞いていたので、
材は部分的に蒸やけて朽ちかけスポンジみたいに柔らかくなっている箇所もあるが(スポルテッド材は致し方ないと思う)
なかなか良いものが挽けたのではなかろうか・・?と思っている。
(いただいた写真の塊より、良いよね・・?)

お客様はスポルテッド材を求めていた訳ではないが、
処分せずに大切に扱ってきて、別な形で再生させてくれたことへの
エノキからの感謝のお返しとしての模様のようにも思えてくる。