MUKU-DATA  玉椿(=鼠黐(ねずみもち))

この材の事をはじめて知ってから、まだ日は浅い。
いまだにこの材の持っている潜在的な深さも良く理解できてはいないし、
この木について多くを話せるだけの絶対的な経験が足りないのですが、
あえて恥を忍んで、この何とも響きのいい「タマツバキ」について少し書かせていただこうと思います。

とは言ってもネットで調べても数名の特定の方の話が出てくるのみで、
また同じような内容になってしまうのですが・・・
まぁ素敵なお話なので、いただいた手元にある資料をそのまま抜粋させていただく事にします。

何の読み物の記事かは不明なのですが、

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萩井好斎さん ~創る喜びを日々感謝して~」文=田中眞理子さん

鵬雲斎大宗匠好の「巻水透風炉先」の腰の部分に透し彫りを施すところを見せていただいた。
刃で静かに透しを彫り進めていく手元を、こちらも息をころして見入っていた。
光琳の図案のような流水が透けて手元とともに微かに動く都度、本当に水が流れているように見えたのは気のせいだろうか。
材料は玉椿と聞き、「かなり太い椿の木なのですね」と尋ねると、
径は1メートル近いもので、いわゆる椿の木ではなく、植物学上はモクセイ科の鼠黐(ねずみもち)の木なのだという。
これは、昭和天皇の皇后、東久邇良子女王が入内の折りの調度品がこの鼠黐の木で作られたそうで、
製作者が箱に「玉椿の木を以って」と記して以来、玉椿と呼ばれるようになったのだという。
それにしても玉椿とは、何とたおやかな名前を付けたものか、そのセンスと心遣いに感服する。
ちなみに玉椿の木は、材質としては桑と桐の間くらいで、扱いやすい素材だそうだ。

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という記事なのです。(コピペできないので時間を少し要してしまったが・・)

この玉椿、一見パッとしないので見過ごしてしまいがちなのですが、
まず、探してもない。出てこない。大きな材もないようです。
当社に6尺x1尺9寸巾が1枚あるのですが、これはかなり巾広との事らしいのですが。。。

数枚ある玉椿を眺めて、その経過や杢の様子など観察中です。
柔らかくて、軽くて、良く見ると奥ゆかしい杢目もあり(一枚ウネっている杢がありますが)
徐々に色も載ってきているように感じます。
朴のような緑ではないのですが、少しグレーがかった緑色っぽいのもあります。
薄茶と灰緑に分かれる?
現在小さなものを含め、6枚(華奢な床柱1本あり)、過去見た材は10枚程度ですので、
合わせても20も見ていないので、
なんともコメントできず、語ることもできないのですが。
(どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら是非教えてください)

さきほど写真を撮りましたので、まぁ言葉で説明するよりは、どうぞ写真をご覧になってください。
とっても日本らしく奥ゆかしい木だなぁ・・って思います。

木表

木裏  しばらく(半年ほど)木表を向けていたのですが、写真では分かり難いですが、
表の方の焼けが強く色が深くなっています。

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