MUKU-DATA  床板(とこいた):樟  蹴込板:シャム柿(ジリコテ、コルディア)

設計~施工監理まで一貫してお客様と共に家を作られている建築事務所さんが
昨日は床の間に使う樟の板の木取りに来られた。
もうこの物件に関しての材の確認に何度も来られ自らの目で材を確認している。
限られた予算以内で精一杯を実践している事が伝わってきて
忙しい中、凄いなぁと思う。
一枚の樟の板
・どこの杢を活かすか(水で濡らして杢を確認しながら元の方がいいね)
・少し耳を残した方がいい(甘皮が残った耳は仕上げず少し黒ずんだ色で)
・ここの小ヒビと製材の爪の跡をどう外すか
・厚みはどの程度にするか
・オイル塗装は何がいいか(ワトコオイルだと少し黄ばむように感じるのでクライデツァイトを塗って色確認)
・床柱に対しての元と裏
蹴込板のシャム柿
・白太の入り具合(白太は割れている事が多い)
・数本樟の板と並べて全体のバランス、景色の確認(どう映るか)
・少し艶っぽさ(色気)を出したいのでウレタンで7分ツヤほどで仕上げるかどうか
5尺ほどの床の間で、約2時間、あれこれと相談、検討
ここがベストだね、までもっていく。
この建築事務所さんの労力はお金には換算されてこないのだが、
お客さんの事を想う気持ちと
その空間をできる限り最大限良くしたいってこと、
あとは作る事が好きってこともあるのでしょうね。
ここまでやって良くならない訳がないですよね、
ハイ、板一枚ね、ポンって感じで無垢板を据え付けられたものと
あそこの空間なんかどこか違うよね
っていう差は目に見えない労力があるからだと感じます。
その差はきっと少しづつ表れて
わかる人だけにゆっくりジワジワと伝わっていくものと信じています。
じゃなかったらオカシイよね。

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