■ MUKU-DATA 炉縁 左:栗虫食い 右:黒柿
銘木匠でもある数寄者からとてもいいものを見せていただいた。
栗の虫食いの炉縁と黒柿の炉縁。
黒柿の炉縁もなかなかいいものにお目にかかれない。
先日、写真の黒柿よりも杢目が良い物を見せていただいたが、
残念ながら寸法違い(一回り小さい)と継手の作り方(留めで作られていた)が違っていた。
黒柿の炉縁もさることながら、栗の虫食い。
これにはゾクッとするほど妙な感情が沸き上がってきた。
こういった使い方のできることへの嫉妬心みたいなものと、
よくぞ、欠点である薪か廃材行きの虫食いの材を
逆手にとって虫穴を景色にかえた事への敬意と称賛である。
昔の人はやはり材の事を良く知っていたし、
木を使うその使い方のセンスにも長けていたと思う。
何日もじっくり虫穴のある栗を眺めてから作られたのでしょうね。
経済とはまったく違う次元での
精神性の豊かさを感じるとる事ができます。
弊社にも何枚か栗の虫食い板があるのですが、
これ、使い方を間違えれば
目も当てられないものとなってしまうのでしょうね。
追記: 2019 4/25
数年ぶりにまた見せてもらったが、やはり良い。