MUKU-DATA  炉縁:黒柿   結界:一位

知識・作法は限りなくゼロ。
母方のばぁちゃんがお茶をやっていて、小学生の頃、行くと時々させられたが
なんで回し飲み(お濃茶)したり、茶碗を回したり、ひとこと言ったりとしなきゃいけないの?と。
儀式・仕来たりめいた事で余計嫌いになり、自分の中では触れてはいけないものとして封印してきた。

ところが材木屋を継ぎ、色々と材を扱い覚えていく中で、
ここ数年遊び心満載の数寄屋部材というものにグッと関心が傾いてきている。
思い起こせば、今年の始めはある方との出会いにより、数寄屋部材を専門としている東京の方に会う事からはじまった。
で、このブログに『数寄屋・茶室』というカテゴリーを追加した。

先日、工務店さんとそのお客様がお見えになり、炉縁の入った様子をみたいとの事で、
本格的な茶室ではないのだけど実家の和室の炉を見ていただいた。
炭が入れられ釜がゴウゴウと音をたてていた。
約40年ぶりに、お茶を飲んだ。
実家という事もあり、お客様にも是非寛いでいただきたいので、
ルールなどお構いなく、足を崩させてもらい、わからない事など聞いたり、
お客様と共に煙草なんかも吸わせてもらった。
実際にお茶会で煙草を吸う光景は見たことがないと言っていたが、
煙草盆なる物が現に存在しているのだから、吸って全然OKなのかもしれない。

ただ単に材を見に来ていただいただけなのに、お濃茶まではじまり何だか茶会みたいになってしまったが、
苦痛ではなかった。

数寄屋建築、茶室はなかなか機会は少ないが、果たしてどれだけの材木屋が的確に遊び心もプラスしながら
材の提案をできるであろうか・・・・?
お茶をやろうか迷っている。
どなたか、ゆるい遊び人の先生はいないだろうか・・

きっと誰しも、お客様や来訪者さんが来られた際は
楽しんでいただきたいという気持ちになるのかと思います。
『お茶』というと何だか大そうなイメージが膨らんであるのですが、
ただあったかいお茶を飲んでいただきたいって気持ちだけで十分なのかもしれない。
高価な物なんてなくてもいい、あったかい心の方がずっと大事だ。
そんな今の時代に合った『お茶を楽しく飲む場』というのを
なんとか生きている間にご提案できるようになりたいなぁ・・

酒の方は、まぁまぁ良く飲んでいるから、
茶室ではなく『酒室』なんてのもあっていいのかもね。

超侘びた酒室、
究極の酒室、
数寄者の酒室、
うん、いい。

こっちだったら今直ぐにでもそれなりに行けるかな?

材木屋として
『いまどきの堅苦しくない茶室』
『茶室のような酒室』
これ、一つのテーマとして来年も行こう。

『床の間』 前板:欅  床框・床板:欅  床柱:杉磨きタイコ

別室四畳半の天井

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