MUKU-DATA  棚板:栃  脚:ブビンガ芯持ち  三条市A様

パン屋さんで商品を置く為の棚板をご夫婦で探しにこられた。
旦那さんは東京でディスプレイ関係のお仕事をされているそうで
軽く倉庫の材木をご案内させていただき
あとはご自由に、ごゆっくりどうぞで、お二人で材を見ながらあれこれとご相談されている様子だった。

暫くして
この個性的な栃を使って、脚には正角の床柱の切れ端のブビンガ芯持ち材の選択

2つの材を持ってきて実際に設置して見ていただいた。
ご主人さんは内装関係の仕事柄、独特のセンスと出来上がりのイメージがあるようで
こっちの面を正面に向け、脚はこの角物、
芯持ち材で割れているのだが、そういった少し古いヴィンテージ感がいいらしい。
センターではなく脚は少し不安定な位置に入れて、もう一方の片側の固定は天井から
ワイヤー等で吊るすような話をされていた。

いいですねぇ~ 面白いかも!と特に何かこちらからお話などすることもなく
話は進んでいった。
この栃の良いところは天然のままの樹皮が残っているところ。
樹皮を丁寧に剥がして保管していたので辺材部分の痛みはなく
天然の耳が残っている。

天板の仕上げやウレタン塗装が塗られた古い脚材は自らサンダー掛けして
いい具合に加減しながら仕上げるとの事。。

それがいいと思う。
ここは多めに削り、この部分は残して・・なんて
加工屋さんへ出したとしても付きっきりで都度様子を見ながら指示しなくてはいけないから。
どこの部分を仕上げずに残すかはセンス、それぞれに考え方があって見せ方やイメージは違っているから
キレイに仕上げる事が基本の加工屋さんや大工さんなどは
「適度に粗く、部分的に残しながら」っていう加工は
その場で事細かく指示されないとご要望通りのイメージにはなっていなかい。

栃の一部耳が残った板とブビンガ正角芯持ちで割れた古い材の組合せ・・

自分にはない組合せで面白いなぁ・・と眺めていた。