MUKU-DATA  ユリノキ 3.2m  一枚板カウンター 

近所で建築中の施主さんと近所の工務店さんが
対面キッチンに取付けるダイニングカウンターを見に来ていただいた。
いづれもご近所さんなので顔は知っているが
そうそう個人的には深くお話した事はないのだが、、
木材倉庫へカウンターを選びに行きませんか?と施主さんにお声がけいただいた
大工さんにはありがたいと思っている。

意外と近くにあるお店って何をやっているのか
分かるようでいて知らない事が多いし、
何となく近所よりも遠くの方が良いものが色々と揃っているのではなかろうか?
みたいな気持ちで外へ外へと向かう事が多いように思うし
自分も若い頃というよりは最近までそうであったのですが、
なんとなく先日初めて地元の同窓生の土木会社に
空き地の整地をお願いしてみたり、友人にその会社を紹介したりして
丁寧な仕事で満足している。

なので特別に営業活動を行った訳ではないだけど
訪ねてきていただけるのは嬉しいしありがたく思っている。

当初、床に桧を張ったので、カウンターは桧系かなぁ・・と
大工さんから連絡を貰っていたので
桧の在庫は今ないけど、椹ならそのサイズのものがありますよと
お伝えしておいた。
現場は大体工務店さんの意見が反映される事も多く、
椹、、、もしくは、その線から行くと、白っぽい栓もありかなぁ・・
一枚、赤いパドックも見れるようにしておこうと
御来店前にある程度見易いように選定して並べておいた。

施主さんご夫婦は娘さんも連れてこられて
カウンターは娘さんに選んでもらおうと思ってと話されていた。
軽く説明させていただき、あとは自由に木材倉庫の木たちを見ていただいていた。

暫くしてユリノキのこの微妙な色合いが気になったようで、
共木の5~6枚を全部出して見ていただいた。
共木なので同じような色合いと木目なのですが、
巾、材質の状態などで価格はそれに応じて表示してある。

このユリノキの共木を全て見ていただいた中でも
この一枚が良いと娘さんが言った。
何でそれが良いのか?一瞬考えたが、ピンときた。
この下の黒い色と、黒い抜け節の跡でしょ!?と話したら正解だった。(嬉しい!)
クリーム色を基調としてカーキ色の微妙なグラデーション、
更に一部に黒褐色が入る事で板全体が良い景色になっていると私自身も思った。

長さは2.6mあれば足りるので、通常、何の説明もなければ
きっと大工さんは元の黒くなっている部分を切り落として使う事だろう。
一般的な木取りで考えればそれがセオリーかと思う。

価値観の違いですよね・・・
通常は欠点と言われている黒い部分が逆に全体を締めて良く見せている。

常日頃から思っているが、木の使い方にはある一定のルールはあるのだけど、
その使い方が後々建物や造作に大きく支障をきたすことがなければ
どこを木取りどう見せるのか?もっと自由にやっていただくことで
面白い見え方になってくると思うし、可能性は広がっていく。
プロから見れば欠点かもしれないが、
どうした訳か、木はそうした欠点と言われるその周辺に個性が出ている事が多い。
大きな問題があればアドバイスしてサポートするのが材木屋であったり
それを問題なく取り付けるのが大工さんであったり、とプロの仕事かと思う。
欠点は個性、個性を活かすことで、「その人らしく」らしい室内へ近づくのかと思う。

施主さんご家族は皆さん感性で木を選ばれているなぁ・・と感じたし
何だか凄くいい時間でした。