
■ MUKU-DATA 栃 一枚板 樹皮剥がし 実演 7/19 木材倉庫にて
棚板用で片耳付きで厚みは厚くなくてよい
というご要望
一枚板の耳付きは比較的巾のある材が多く(カウンターや天板用の用途が多い為)
例えば棚板用の200mm~250mm程度で厚み20~30mmほどでOKで
尚且つ片耳付きがいいとなるとこれが意外とありそうでない。
巾400~500mm程度の両耳付き、それでも厚み60mm程度のものが多いので
上記の棚板の要望を満たす木取りをするのであれば
500mm÷2で真ん中より割ってそれぞれの片耳付きを2枚取り
それから厚み60mm÷2で30mm弱の粗木
自動鉋に通して仕上げ24mm前後
木取りするにはこのような流れになることが多いかと思う。
L900mmが2枚だけあればいいとなったら
2m材から上記の方法で木取りすると
L900mmで200、厚み24mm程度が8枚も取れる事になり6枚分が余ってしまう。
あれこれと倉庫内を物色する中で、
製材時に本板を取る前に挽く端木端で30mm程度の挽いた栃の板があったので
これの活用を検討した。
端木端だったので皮剥ぎも割れ止めも塗っていないもので
製材後3年以上経過し乾燥した一枚だったが
樹皮が付いていたので実際に樹皮を剥がすことにした。
中からは昆虫の1cmほどのサナギが数匹出てきた。
そう、木の樹皮裏や辺材は虫の大好物な場所。
3年以上経過していた栃だったので比較的樹皮はガサガサと簡単に剥くことができた。
栃はウォールナットや欅、その他の材と違って
虫は辺材には入り難く、このように樹皮の裏側のみにいる事が多い。
栃の瘤の部分に関しては中まで入り込む事はあっても
その他の部分は写真のように樹皮の裏側に留まっている事が多く
辺材の内側まで虫が入り込んでいる事は少ない。
上記の写真でいうと赤の矢印が要注意部分で中まで入っている可能性があるので
その部分は取り除くか何らかの処理をしなくてはいけないが
青の矢印にはもう虫はいない。
この辺の説明を樹皮を剥がしながらお客さんにお話して
栃の木の特徴をお伝えした。
話は展開して、自然に描かれた虫食いの跡は、
見方によっては、面白いかと思うし、前々からこの後を残しつつ
棚板やカウンター材などにするといいのではなかろうかと思っている。
例えば、この耳の虫食い部分のみ、黒塗装や色付きの塗装を入れる事で
面白い見え方になるのではなかろうか?
栗の一枚板に関しては「鉄染め」で鉄分に反応させて
板を黒く染めてみてはどうでしょうか?のお話もさせていただいた。
前々から栗の鉄染めはやりたい着色の一つだったので。。。
今朝SNSを見ていたら針葉樹でも広葉樹でもない「ミッドウッド」という
中間繊維構造の木としてユリノキの事が書かれてあった。
ユリノキは何枚か扱っているが確かに、針葉樹のようで広葉樹のような
顔をしていると思う。
木は材種毎に特徴があって食われる虫の種類も食われ方も違っている。
それらを理解しつつ、適材適所、
材を適切に配置できるように提案しなきゃねと思う。




