MUKU-DATA  「岩室の平屋」金子勉建築設計事務所 様
金子さん設計の「岩室の平屋」が昨日上棟を終えた。
部分的に見えてくる材木を使うので、今回は構造材の加工前から
何度か材を確認してもらいどう加工するかなど金子さんや手加工する大工さんと相談しながら
作業を進め昨日上棟を終えた。
施工は弊社建築部(担当:坂上)、久しぶりに金子勉さんとの仕事となる。
過去一緒に作ってきた住宅も、都度それぞれの場面での木の使い方、見え方、見せ方には
なるほどねぇ・・と考えさせられることが多かった。
設計者がどういった空間を考え、そこに見えてくる木をどう配置するのか・・
出来上がる空間をどう想像しているのか・・
そこが把握できないと、求めている適材の提案はできないし、
材木屋としては不要な存在になってしまう。
(言われた通りの材をいかに安く早く探すかが主になってしまう=それも大事なこと)
材木屋になりたての頃、大工さんに言われた言葉がずっと残っている。
「おめぇ、大工に材木売るんだから、大工以上に建築の事、木の事を知らないと
材木屋なんてやっていけねぇーぞ」って。。
(わからなければわからない方がいい事もあるのだろうが・・)
ごもっともな言葉だと思い、
ずっとそれを意識しながらやってきたつもりではあるが・・
材木屋として歳と経験を重ね、好みの材が違ってくるように
今回金子さんが作る建築とそこに見える材への考え方にも微妙な変化を感じた。
これ、どうですかねぇ・・ が
なかなかヒットしない。。
難しい・・・何を考え、どこに比重を置いているのか・・
到底考えつかないところにあるのかもしれない。。
外観は正面から見ると一寸勾配のなだらかな切妻
一見普通に見えるが、軒高は低く、
ランボルギーニーみたいにペタンペタンである。
(これは外観を意識してよりも内部空間での住み心地からくるものかと思われるが・・
今度聞いてみよう)
室内から見える川や風景を意識して微妙に建物の配置もずらしている。
中心となる棟木が据え付けられると、
現場を見ながら天井高を変更し、早速指示を出していた。
ライブである。
譜面通りの演奏より得てしてライブの方が心地よく心に響く事も多い。
(ライブでの微調整はきっと後々効いてくるかと思う)
これから完成まで、材の要所要所で何度か金子さんと打合せをするかと思うが
果たして今、金子さんがどこに比重を置いて材の見え方をどうみているのか?など
少しでも解ることができればと思っている。
大工さんは小杉棟梁を中心に、
40代2名、30代3名、が応援にきてくれた。
キビキビとした動きはいいなぁ・・って眺めていた。
いつの間に自分が歳をとっていたことを感じる。。

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