MUKU-DATA アサメラの厚盤より造作材を製材

店舗入り口の枠材で自動ドアが取付けられる為に
ある程度の耐久性のある材料で・・と事で材の検討をした。
その他の枠材類は杉の造作材が使われているが
入口枠が杉だと自動ドア用のエンジン部分取付け箇所が耐荷重的に
後々弛むといけないので硬めの材料が必要との事だった。
200×110mm 、250×50mm、110×105mm、等の特殊サイズが多かったので
平割材から全て賄えない材木屋泣かせのサイズとなる(材木屋ならこのサイズは悩むだろうと思う)
このサイズの場合であればフリッチ盤(木の塊の厚盤)からの製材になる。
しかも造作材なので乾燥している事が条件となる。
フリッチ盤からの製材であれば
通常であれば、ピーラー、米栂、米ヒバ、レッドシダー、などの米材が主な選択肢かと思う。
レッドシダーは柔らかく繰り返し使われる自動ドアの振動でビスが緩んでくる可能性があるので耐荷重性において×
米ヒバは板目部分250mm巾で挽かないと割れる可能性大なので価格を含めハードルは高くなる。
となるとピーラーもしくは米栂の選択肢しか残らないが、
いづれも板目部分は割れやすいので巾柾が条件となるだろう。。
他にピーラーは脂の心配も残る。。。
んじゃ、こういった材での需要の少ない米栂はどうかというと
米栂って多分ピーラーほどフリッチ盤はないように思うので
今度は乾燥の問題が出てくる。。。
尚且つ、数年前から米材は高い・・過去の金額を知るものとしては
そんな高くて昔より品質の落ちた材を使うのにはどこか抵抗がある。

どうしようかなぁと悩んでいたが、
アサメラのフリッチ盤の在庫があったのでこれ挽いちゃうかって事にした。

安いものではないが、今の米材価格からすれば同等で(在庫を持っていたから)
品質や耐久性、耐荷重性は上だろうし、ここには適材かと思う。

在庫の明細と造作で使う必要サイズを睨めっこ
どうも歩留まりが悪すぎる。。
例えば
現場で必要な 「2500 250×50mm」の部材を挽くのに
4100 390×90mm から1本しか取れない。。。

悩むよね。。。(材木屋だったら・・)

4.1m 390×90mmを1本潰して 2500 250×50mmを1本製材しても
原価の方がこの段階ではまだ高く付いている。。。
残った部材が販売できて、はじめて利益が生まれる。

そこで考えるのが残り部材をどう木取りするか?
どの部材から必要部材の何を製材するかの仕分け作業の時に
残り部材をどのサイズに残すか?って事がとても大切になってくる。
(やみくもに考えなしで取れるものを挽いていたらアウトだよね。。)

上記のサイズの話に戻るけど
4100 390×90mm から 現場必要部材の 2500 250×50mmを1本取る。
あなたならどう挽きますか?

先ず、4.1m 390×40mmの板を残したくなりますよね。。
自分も迷ったが、
先ず、2.55mにカットして
1.5m 390×90mmの盤を残しました。
想定は沓脱石のような式台、置台です。
2.5mにカットされた部材から 厚み50mmで製材して必要部材を確保
残りの2.5m 390×40mm弱の板はテレビボードや小さめのカウンター、棚板を想定
必要部材の2.5m 250×50mm 1枚
そして残り部材の1.5mの置台と2.5mテレビボード。
その残り部材の2枚が販売できて
はじめてこの1本のフリッチ盤から利益が出てくる事になる訳です。

なんのこっちゃかよく分からないですよね・・
要は大きめな歩留まりの悪い材から必要部材を製材する際は
残りの部材を何へ向けて製材して販売するか?って
木取りがとても悩ましく大切だというお話なのです。

21本あるアサメラのフリッチ盤から必要部材の9本を製材する前段階の仕分け作業に2時間を要しました。
材木屋は木取りが命です。
何をどう挽くか、挽いた材を何へ向けるか?
時代のニーズと共に挽く部材も当然変化していきますし、
ニーズより先行して製材した材で新たなニーズを創れればとも思っています。

(まぁ、たまたまアサメラのフリッチ盤を持っていたので
この必要部材が取れた訳ですが、
アサメラを持っていなかったら・・ 
この場合だと、ピーラー材の選択だったかと思います。)