
■ MUKU-DATA ウェンジ / パープルハート 新潟市 M 様
お店に少しづつ手を加えながら居心地の良さ、理想の室内へと
少しづつ改装工事を続けているようで
今回はカウンター部分を改装するとの事。
間口4.6mのカウンター部分に1本柱があり
柱の左1.8mはパープルハート、右の2.7mはウェンジで
カウンターを設置するらしい。
建築で使われる材を扱うものとしては
建設会社さんや設計士さんが考える内装の材の手配は常の仕事ではあるが
時々オーナーさん自身の考えている内装、
オーナーさん自身がカウンターなどメインとなる木材を探しに来ていただく事がある。
そういった方々とお話していると
常とは違ったそれぞれの独自の考え、色が明確で個性的で面白い事が多い。
設計から施工、目に見えない室内を形にしていくために
先ず図面があり、それを担う建設会社は大きく振り切るにはリスクを伴う。
平均点以上、70点、80点、
どうしてもそうなりがちではあるが
オーナーさん自らが構想し動き選んで一緒に建築に関わっていくと
個性的な室内が出来上がる事が多い。
不特定多数の人から見ればそれが仮に50点評価だとしても
オーナーさんやその周辺、似たような考えの人たちからすれば150点、200点の
内装が出来上がってくる。
このオーナーシェフでもあるワインバーM様も、そんなような気がする。
設計は入れず、自らの考えを大工さんに伝え少しづつ手を加えながら
居心地の良さを追求しているように思う。
設計士、建築家にお願いするのであれば
自分なら、先ず自分の思考とは別次元へ行きたい時、超えたいとき、
お気に入りの建築家を見つけて、要望は要として譲れない2~3点程度
あとは、全て自己責任で信頼して好きなようにやって欲しいと。
心配事や要望が多くなればなるほど、一般化するのは
建築に限った事ではないのかと思うけど。。
パープルハートは削る前は濃いめの紫、軽くプレナー掛けしたら
鮮やかな紫になって、これはお客さんに喜んでいただけるかなぁ・・と
途中経過を見ていたが、
サンダー掛けを終えたら赤というかピンクというか紫からそちらの色に変化していた。
紫外線の影響を受けやすい木なので、少し光が入れば
また鮮やかな紫に変化するのかと思っている。
時間がなくて、仕上げたウェンジもパープルもゆっくりと写真が撮れなかったので
完成したらまた見せていただこうと思う。

昨年納めさせていただいたクラロウールナットのテーブル
クラロの接木部分が見えて面白いかと思う。
塗装はセラウッド塗装


こちらはY字の欅
Y字だと使い勝手はどうだろう・・?かとか普通は心配になるのだろうが
オーナーさん自らが選んだからできたこと。
意外と使い勝手は問題なく、曲りの部分に覆われた席は居心地は良さそうに見える。
クラロと欅の組合せ、
全然系統の違っているアメリカ産と国産の木ではあるのに
全く違和感がなく自然な感じで納まっているように見える。
何故だろう・・?

クラロの端材は、自らサンダー掛けしてオイル塗装をしたらしい。
テーブルのクラロと欅はセラウッド塗装で仕上げたが
今回は手触りの質感を重視してカウンター材は自らオイル塗装で試してみるとの事
輪染みなどセラウッド塗装とは違って跡は残るかとは思うが
テーブルとはまた違った一枚板カウンター材へ育っていく事かと思う。

