■ MUKU-DATA 鳥海山神代杉 3m 900mm巾 SOLDOUT 大阪府K様
6年ほど前の春先に大きな神代欅の丸太を製材してから
神代木の魅力にハマり少しづつ神代木を集めてきた。
丁度その頃、鳥海山の麓で大量に神代木が見つかったという話を聞き
11月の能代の市でそこで見つかった神代木が初めて大量に競りにかけられた。
( 2018 11月)
普段は一般の杉材中心で市場の中はあの優しい杉の色に染まっているが、
この時はある一角だけ、神代杉を中心にグレー色の木が並び
そのコーナーだけ異彩を放っていた。
その後も一連の鳥海山神代木が能代の市場に並び、何度か足繫く通ったが
一時は市場に並んだ製品の三分の一ほどが神代木に埋め尽くされて
市場内は異様な色彩となっていた。
都度、かなりの量を仕入れしたいたのでお腹いっぱい感を感じる事もあり、
大量に出ていた頃は、皆さん同じようにもう神代はいいかなぁ感もあって
かなり安い時もあったのだが、
少し買い控えていた期間もあり、今となってはもっと買っておくべきだったとも思う。
上記の3m神代杉は、一番初めの頃の2018年11月の競りの時の神代杉
初めの頃は状態の良いものが多かった。
この3m材は販売先の宛てもないけど、買いだよねって
もっともっとと競りで落した思い出に残っている神代杉だった。
割れ止めを塗り、木裏側を向けて倉庫内で立てて保管
桟積みして寝せないで、倉庫内に立てていたのは、
いつでも状態を確認する為。
時々、物のよってはこのように倉庫に木裏で立て掛けながら
天然乾燥をしている一枚板もあるが、それらはいつでも頻繁に状態を確認したい材である事が多い。
(因みに巾広の黒柿なんかもこの状態で保管乾燥を行って様子をみている)
それから数年が経過した後に、会社に一本の電話をいただく。
今から3年ほど前の話かと記憶している。
現在、リフォーム工事を計画しており、大きなテーブルをリビングに置きたいと。。
はじめての電話だったけど大阪の方で、確か4~50分ほど話をした記憶がある。
神代木でサイズ、予算、そして良いものが出たらいつでも案内くださいとの事で
リフォーム工事はまだ少し先の話であったかと思う。
そういったお問合せに関しては、メモして留めておき
適材が見つかった際にはご案内させていただいている事もあるが、
如何せん、それが半年経過していたり、1年以上過ぎていたりで、
今更連絡しても音沙汰のない事も多い。
時間の経過は、状況も変えるし、気持ちも変化しているのだろう。
確かこの神代杉は当初からこのようなもので・・とご案内させていただき
杉ではなく、神代欅とか、神代タモとか、硬めの木でとのリクエストだったかと記憶している。
なかなか出てこずに、メモは消せないで数年が経過したかと思うが
今年に入り数年ぶりに、また同じ方から電話をいただく。
いよいよ工事が進み、また本格的に一枚板テーブル探しを再開したとの事
あちこちと家具屋さんや材木屋など見て回ったらしいが
見た目、サイズ、ご予算となかなか丁度いいものが見つからないらしい。
この神代杉に関しても、少し予算オーバーとの事で
他の材種を含め、検討しているご様子だった。
安いものではないので是非、現物を見ていただきたいとは思っていたが
なんせ大阪なのでちょっくら行くわって事にもならないのだが
この春先に、ご主人さんと1泊で木材倉庫のこの神代杉に会いに来ていただいた。
現物と対面してほぼそこで、確実なものとなったような気がした。
相思相愛
一枚板を扱っていると時々、木の方がそこへ行きたがっていると感じる事がある。
お客さんも選んでいるが、その木は人を呼び、其処へ行く事を望んでいるというか・・
今回もまさにそんな感じだった。
なかなか数年間の期間を経て、そこへ行くという事は多くはない。
タイパの時代に、半年、一年は人にとっては我慢できない時間の長さなのかもしれないが、
この鳥海山神代杉は約2500年も地中に埋もれていた杉でもある。
木目から想像するに樹齢は200年以上の杉か・・?
そんな長い年月に対しての1年、2年なんて一瞬の事でしかないのだけど・・
と思ったりもする。
もう十二分に検討に検討を重ね、それを迎え入れる事を望んだKさん
次の世代、また次へと大切に使っていくのだろうなぁと思う。