MUKU-DATA 永平寺の社木(杉)で永平寺大工さんが製作

正月休みに永平寺に行った時、境内は大きな杉の木が聳え立ち森のようになっていた。
冷たい空気と樹齢のいった杉は写真をみているだけで鼻の奥までツンとするような
清澄な香りを今も感じることができる。 → 永平寺

2時間ほどかけて寺院内を一周して帰り際に売店があったので立ち寄った。
線香であったり、永平寺の歴史書であったり、数珠であったりと・・
そんな中に、この踏み台が置かれていた。
材木屋なので先ず目が向かうのはそこに使われている材質
赤身の杉が使われている。踏み台の板は、板目ではあるが、脚は柾目使いで
しかも四方柾に近い木取りがされている。
次に目がいくのが、その作り。
丈夫にがっちりと作られている。手水舎のような四方転び、クサビは竹かと思われるが
数ミリの隅間もない。こりゃ100年先まで持つだろうなぁ・・と思う。
そして値段 ¥12,000円 ・・ 
お付き合いのある大工さんに作って貰ったら、この値段でできないよねぇ・・
しかも赤身の高樹齢の杉材だしね・・
仮にうちで材を用意して大工さんに頼んだらどれ位になるだろうか・・・
ある程度の数量作らないとだろうね。。
単品で1台の製作ならこの倍はかかるだろうなぁ・・とあれこれと考える。
そして「大本山永平寺」と曹洞宗の大本山としての焼印が押されてある。
気になるので売店の人に訪ねてみた。
これってどなたが作られたものなのですか?と。。
永平寺の修繕を行っている大工さんが合間合間に作っているらしい。
しかもこの杉は永平寺の杉を使っているとの事。
本当に?と再確認で2度聞きしてしまった。

線香や数珠とは違って大きめなので、えっ!?買うの?って売店の人が少し戸惑っていた。
奥から袋を探して大きめの袋に入れるも入らず、今度は段ボール箱に入れようとしていたが飛び出し・・
あっ、それそのままでいいですよ。ってそのまま駐車場まで持ち帰ってきた。
きっと、これ買う人、少ないんだろうなぁ・・と思った。


あまりに立派なものなのでまだハードに使ってはいないが、、
踏み台はとても便利なものかと思う。
昔は側面に杉板を張り丸く穴をくり貫いた2段式の踏み台が実家に2~3台あった。
時計が止まるとネジ巻きする際に使ったり、ミカンの皮をゴミ箱代わりに使い
父にこれはゴミ箱じゃないと叱られた。
確かにごみを出すのが大変だった。
あの丸く穴の開いた踏み台は最近は見なくなったが
今は神棚の榊や水を変える際はスツールを使っているが、、
少し不安定なのが気がかりでそのうち作業中に転んで怪我をしなければいいが・・と思っているが。。

この四方転びの永平寺踏み台は安定感抜群、しかも材は樹齢のいった赤身使い、
数ミリの隅間もなくがっちりとしている。
踏み台には最適だし、スツールにだって使えるし、花台にもできる。
なんて便利な生活道具なんだと思う。
デザインも大切かとは思うけど、こういった用途に応じてしっかりしたものって
いいなぁと思う。
大工さんでも作れるもの、大工だからできる事は他にもまだありそうだよねぇ・・と
思いつつ眺めていた。