
■ MUKU-DATA タモ集成材 t20mm 再割りして造作材へ
写真のようにブロック状に木材が積層され
長さ4.2m 巾500/600mm 厚20/25/30/35mmとして作られた板を
私たちの業界では、集成材、フリー板、積層材などと言っている。
巾ハギ材は長さ方向の繋ぎ材がなく巾方向だけを繋げたもの
集成材フリー板での材種は、主にはメルクシパイン(その他パイン系)、
ゴム、タモ、杉などが多いが
最近アカシアなども目にする。
スポット品としては過去にウォールナット、チーク、欅なども見たことがある。
比較的安めで使い勝手がいい事から(フリー板という名が付けられたように)
業界に使われ始めてから、長く支持されている木質系素材の一つかと思う。
工務店さんからタモ集成造作材の依頼を受け、加工を行った。
窓枠や棚板など先ず必要となる部材を木取りするのに
厚み20mmで500mm巾、600mm巾を用意する。
このフリー板からなるべく無駄のなく歩留まりが上がるように必要部材を木取りをする。
仕上がった集成材とはいうものの、
細かな無垢材の集合体なので、多少の反りは出ているので
反りを製材機で修正して、仕上げサイズの6~10mm増しで製材
長さも指定サイズにカットする。
ブログの写真はここまでの木取りを終えた段階で
その後、プレナー掛けを行ない、サンダー仕上げをして
必要に応じて面取り加工を行う。
(フリー板の時は完全には表面は仕上がっていないのでサンダーをかけた方が良い)
完全に仕上げた状態なので、配送時や現場保管時に傷つくといけないので
段ボールで梱包して、出荷となる。
ここ5~6年、こちらの方で最後まで加工して現場では大工さんが
取付けだけ行える状態で出荷して欲しいという要望が増えてきた。
以前は材木屋の仕事は、木取り製材までで、最終加工は大工さんが
作業場で材の癖を見ながら仕上げるというのが一般的だったのだが
職人不足や現場での作業効率を早める為、
また作業場や万能機等をもっていない大工さんが増えた事で
こうした業況になっているかと思う。
集成材とはいいつつも木は癖があるし
実際に現場で取り付けるのは大工さんなので大工さんが加工できるのであれば
それに越したことはない。
材木屋が造作材加工を行う際は、ある程度の建築知識と
現場でどのように大工さんが取付けるのかという勝手を知っていないと
こういった造作材の加工は難しいし、
仮に知識がなかったとしたら、加工指示書は詳細の指示が必要になってくる。
弊社は無垢材、一枚板のイメージがあるかもしれないが
工務店さんの作る現場への資材供給も行わせていただいているので
意外とこういった集成フリー板の納品も多い。
集成材で言えば、階段材などは頻繁にこのブロック状になった積層材を
納品させていただいている。
時々このブログでも書いているが集成フリー板は
便利で使い勝手のいい素材かと思うし、否定はしていない。
集成材を使いつつ、要の部分に一枚板など使分けていくと
強弱が出て、全て無垢材オンリーよりも更に本物の一枚板が映えて見える事もある。
要は使い方、設計者の限られた予算内での予算配分と強弱、材の配置など
そういった部分も大きいのかと思う。
材木屋はこうやって裏方で1棟1棟、更に良くなるように・・・と
思いながら作業を行っている。
まぁ、材木屋に限らず、大工、左官、建具屋、屋根屋に板金屋、設備屋その他
住まいの現場に携わる職人さんたちも同じ想いで手を動かしているかと思う。







