MUKU-DATA   栓一枚板 乾燥過程で縮んだ木目 10/8 SOLD OUT

昨日、木材倉庫へ家具を設計デザインされている若い方(30)が来られた。
お話を伺ったり様子を見ていると、とても木が好きでいる事が伝わってくる。

気になるのはどこを見てどう感じているんだろう・・ ?
って、毎日長くこの仕事を続けていると自分の感性がどこに触れているのか・・
わからなくなることがあるので、
御来店いただくいろんな方がどこにどう感じているのか?ってのは
とても興味があるところ。

この栓の板、仕入れから5年ほど経過しているが数カ所にクマンバチの穴が開いてある。
桟積みして基本木表を上にして保管しているので、
クマンバチは木裏側、下から穴を開ける。
穴開けをチャレンジするも、途中で諦めた箇所も見て取れて、
今度このクマンバチの穴の事をこのブログで書こうかなぁ・・と
思っていた材。

それがですねぇ・・面白いんですよねぇ~ この木の見方が。。
どこに反応されたと思います?
クマンバチの穴の話は興味深く聞いてもらったんですけど、
彼が反応したのは、この木のシワシワに縮んだ木目部分なんです。

縮んだ木目って栃とかに現れるあの縮杢ではなく、
急激に乾燥する過程で一気に縮んでしまい、夏目と冬目の境が凸凹になって
板も少し歪んでいる状態の、この感じに、いいなぁ・・って言っていたのです。

これはプレナー加工機に通せば、この凸凹は消え平らになるのでしょうが、
この部分に随分と反応されていた訳で、、
きっと水分の多く含んだ丸太の状態で製材し一気に乾燥した際に、
時々このようになっている材って目にすることがあるのですが・・


ご来店いただく若い方とお話させていただいていると、
自然のままの姿、ありのままの姿、にどこか心に触れる事が多いように
最近気づいてきました。

何なんでしょうね。。
Z世代、デジタルネイティブな若い人たちは、全てが作り物の世界の中での事が当たり前で生活してきて、
もしかして自然のまま、ありのまま、意図しないもの、何も手を加えないそのままのもの、、・・・・
本来、人間に備わっている高度な感性が察知している、、
気付かせてくれている?
のかもしれません。

言われてみて、確かにこのシワシワの部分いいなぁ・・面白いかもな・・・って。。
この部分、平らに削ってしまうのではなく活かせたら・・
このまま室内のどこかに、生活の道具のどこかに使う事ができたら、
それに触れる事でそこでの生活は随分と豊かなものになるのではなかろうか・・

お客さんが帰った後、そんな事を感じながら
この栓のシワシワを眺めていました。

これはクマンバチの穴、中を住み家にしています。
黄色の矢印はアタックするも諦めた箇所

ありのままの姿に・・