MUKU-DATA  一枚板の反り → 高周波プレス加工

高周波プレス加工、
正直、出始めた頃は少し疑って見ていた。
木の癖は強い。
反る木は背から癖を取り腹を挽く。先ずは背骨を矯正して・・
長く木を扱い受け継がれてきた先人たちの木と向きあってきた癖を見る技術かと思う。
背骨を矯正して修正挽きした後はまた暫くすると少し元に戻ってくる。
それを止める為に裏桟(吸付き桟)なるものが考えられた。
天然乾燥時に桟積みされた板で反ろうとする力を上に重しを載せ押さえると
反る力の逃げ場がなくなり板は割れる。
割れを少しでも抑えようと割れ止め材を塗っているが
そういった力には耐える事はできない。気休め程度・・
そんな事を何十年と繰り返しながら一枚板と向きあっているが
昨年から半信半疑で高周波プレスに何枚か加工を出しその後の様子を観察している。
反りに悩まされ続けてきた一枚板業界にとっては画期的な機械かと思う。

高周波プレス加工費は安くはないのでプレス後の一枚の原価は高くなる。
実際に巾広(W1300mm程度)クラロウォルナットに高周波を行ったが
反りは前ほどではないが少し戻ってきた。(まぁそうだろうなぁ・・と眺めている)

今回は反りが大き過ぎて一枚板としての使用は完全に諦めていた
神代欅2枚、椋の木1枚、スポルテッド栃1枚
この4枚は反りが大き過ぎるので部材取りをしようかどうしようか
悩み暫く保留、保管にされていた材。
他に反りはそれほど大きくはないが高価な木なのでなるべく今後も反らないようにと
クラロウォルナット1、オレゴンウォルナット1、バストゥーンウォルナット1、
他にお客様からのリクエストで殆ど反りはないがなるべく厚めに使いたいとの事で
神代栃を1枚 
前回プレスしたクラロも5~6年は経過した材だったがかなりの水分が出てきたと
工場の方が言っていたので
反りの少ない材に関しては若干水分を抜く意味合いも兼ねている。

反りが大きかった一枚板たちがどのような姿に変わるか・・
楽しみでもあるし、、、
木の癖って強制的に取ってもいいのかなぁ・・?って疑念がどこかに残っている。