■ MUKU-DATA 楢虫食い茶筅筒  敷板:神代杉(鳥海山)柾目  テーブル:神代栃


約ひと月ほど前だったかなぁ・・
愛知県から木工をされている方が木材倉庫に寄っていただき
神代木等を購入いただいた際に、屋外に投げてある(捨てている訳ではなく何かに使おうと置いているのだが)
楢の虫食いの欠片に反応して、この材料父が喜ぶかと思いますと話していたので
折角遠くから来ていただいているし、どう使われるのかも気になったので持って帰ってもらった。

父が喜ぶと思うので・・・
お父さんも同じ木工家として活躍されているのだが
自分自身も家業を受け継いだ身ではあるが、「父が喜ぶと思うから」なんて考えたこともなかったかもしれない。
なんて親孝行なんだろうって感心する。

数日後、早速お酒と共に箱に入った茶筅筒が送られてきて箱を開けて感動して
直ぐにお父様へお礼の電話をいれた。

子供の頃にハサミで何か切る時、なかなか切ることができずにヤキモキしている横で
父に「バカとハサミは使いよう」と言われて
子供ながらに切れない事とバカと言われているようで余計にイライラしたような記憶がある。
切れない?ハサミも使い方次第では良く切ることができる
あんたの使い方に問題ありという事なのだろうけど・・


虫に喰われた材を構造材、家の躯体に使ったら大問題となるのだが
造作材へ向けると、へぇ~って感心されたり感動を呼ぶ。
特に真行草でいうところの草の崩した数寄屋には時々虫食い板が使われているのを目にする。

黒柿の虫食いの欄間、栗の木虫食いの幕板、
過去一感動したのは数寄屋建築部材を得意とする銘木匠から見せてもらった
栗の虫食いの炉縁である。

虫食いの穴の大きさ、4角の炉縁に見える穴の空き方のバランス
併せて極上黒柿孔雀杢の炉縁も見せてもらったけど
どちらかを選ぶのならば迷わず虫食いの栗のほうだ。

もう少しこの虫食い材を深掘りすると、虫の食われ方、バランス、穴の大きさや空き方
この虫の食われ方いいねぇ~ とか
割れた板の割れ方、全体と割れのバランスこっちの方が割れた感じがいいよねぇ・・とか
スポルテッド、黒柿、ダオ、バストゥーンなども
一枚板の中での縞模様の入り方と全体のバランス
好みの差もあるけどその辺がポイントになってくるのかと思う。



虫が喰っているからダメ、捨て
割れているから、ハイ評価無し、
無傷無欠点に木取りされた「ザ・銘木」もそれはそれで溜息が出るほど
素晴らしいものあるのだが
虫食いだって、割れだって、視点を変えれば良材とは別な力を発揮する事ができる。
良材にはない凄み、素敵さを演出できる材なのである。

切れないと思われているハサミは使いよう・・
実は使う側がバカなだけなのかもしれない。


材を粗末にせずに愛する者だからこそ作れる茶筅筒かと思う。
いいものをいただいた。








これだよ、
これに反応してくれたのは過去一人二人程度
実はこの強烈な楢の虫食い板、大きな材で数枚在庫しているのです。