
■ MUKU-DATA 差し鴨居 地松 製材して再利用
解体後新築、今まで使われていた差し鴨居を新築中の住宅に再利用したいとの事で
大工さんが古い差し鴨居を持ってきた。
材は松
築何年のお宅は分からないが材面には塗装されて赤黒く光沢がある。
磨いた古色というよりは塗装が塗られた古色といった感じだが
長く手入れ良く磨かれてきたのかと思う。
材は上下左右に反りと若干の捩れがあって、
今まではきっと建具の開け閉めはできなかったのではなかろうか・・
再度これを差し鴨居として使うには反り捩れを製材して落として
新たに鴨居溝を彫る必要がある。
古色風の色が落ちてしまうのは少し勿体ないかもしれないが
この反りを落さないとそのまま付けても建具の開閉ができないので
製材して擦り落とす事にした。
古い材はどこかに釘が打ち込まれている事が多いので
入念にチェックをするも、やはり数本小さな釘を見落としていた。
釘も一緒に挽いたことが、これ幸いして新たな材面は帯鋸目の痕が通常の製材よりも
くっきりと表れた。
反りを落してから、プレナー掛けして鴨居溝を掘って仕上げようと考えていたようだが
帯鋸目の痕もなかなかいいものだねって事になって
このまま削らずに納めるかどうか施主さんと相談するらしい。
少し染色すると更に帯鋸目の凹凸も更に強調されるかと思う。
先代が作った家の部材の一部を新築時に組み入れるのも
過去現在未来とプツンと分断するのではなく受け継がれていくようで
いいなぁと思う。
今あるのは、過去の先代たちがいたからこそ
今は過去から繋がり、未来へ受け渡し行く為の途中
何でも簡単に捨てるのではなく、大切に未来へ受け繋いでいって欲しいと思う。








