MUKU-DATA  灯屋(あかりや) 新潟市秋葉区小須戸

昨年夏に県外の方がこの小須戸にオープンされた和食店「灯屋」さんへ行って来ました。
わざわざというより歩いてすぐそこなので、ぷらっと って感じで。
目に入ってくるのは昔のままのガラス、障子、柱、階段など
あぁ、ここは床の間だったんだね・・とかここは土間だったのかぁ・・とか
ちょうど数日前に読んだ「建築とは何か 藤森照信の言葉」にある
『懐かしい』という感情を再度確認しながら・・
自分自身の中にも特に歴史的・建築的価値の有無に関わらずに
古い建物を壊すというのはちょっとためらいの気持ちが沸きおこる。
昨今の保存活動や古民家鑑賞など「懐かしさ」、「古さ」を大事にするという事は
建築業界にも一つ兆候としてあちこちで見受けられる。
この「懐かしい」という気持ち、それを大切にしようとする気持ちはどこから
くるのだろうと改めて思っている。
「建築とは何か 藤森照信の言葉」にある一文から
人間は自分であることを確認するのに外の景色を使っているという仮説がある。
人間は、自分は自分であることをもっと高度な方法で確認していると思っている。
しかし、私は、目に見えるもの、外的なものでしか確認できない、と気づいた。
人間のアイデンティティは、建築や町並みに依拠しており、その建築や町並みの質を問わない。
建築か町並みか、大きくは自然の風景によって人間は人間たりえる。自分は自分たりえる。
保存に熱心な女の人たちは、そのことを感じているのではないか。
この『懐かしい』という感覚、
言葉で上手く説明できないが、自分の中にあり大切にしている感情の一つである事は言える。

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