MUKU-DATA  伊吹(イブキ) 別名:貝塚伊吹、柏槙(ビャクシン)
           ヒノキ科ビャクシン属 針葉樹

なかなか異様な形と色をしている木だなぁ・・
ヒノキ科なのね、、少し欠けた断片を嗅ぐと良い香りが鼻をつきます。

こういったもの、昔は豪華な和風住宅で
床の間や玄関ホールなどの幕板として使われていました。
ザ・和風、ザ・ヘンボク、野趣に富んだ自然な曲り具合から
ちょっと不気味で、何か変、目にしていたのは豪華な和風建築が多かったので
こういったもの=お金持ちの和風住宅に取りつけるもの的イメージが
わたし位の世代の人には見えるのかと思います。

当時、この手の形の幕板といえば、一位、槐、屋久杉、日光杉などが良く使われていたかとは思います。
今の建築で幕板としてこういった物を求められる事は、弊社のお客さんではほぼありません。
既に絶滅危惧材的立場で最近殆ど目にしなくなった変木系幕板は
逆に今の若い方の目には新鮮に映るのかもしれません。。。 ?

みなさん、こういった変木系の材をどう感じるでしょうか・・?
何が凄いかって、
こういった木(丸太)を製材し、このような材に仕立て上げる人たちが居て
まぁ、変木(ヘンボク)というジャンルが過去から存在するように
これをまず最初に使おう、使ってみようと考えた先人たちのチャレンジ精神
そしていまだに受け継がれてきている事が何だか嬉しくなってきます。

何にすればいいの?
それは現代版、変木使い師としてどうぞお好きなように自然木を活かして
考えていただければ、もっと怪しく楽しい空間ができるのかもしれませんね。
ダサくみえないように注意して、上手く使いこなせば
「幕板」としての用途を越えて
新たな材の域へと昇華する可能性ある材かと思い眺めています。

(なんか気になる材なんだよねぇ・・・)

関連: 伊吹 変木

伊吹(イブキ)
左:2700 130~240 t60mm
右:3000 120~300 t45mm

骨みたい・・



木裏側

写真の赤身部分を良く見ると色付けしているように見える。
これは色の強弱を出す為なのか?別な意味があるのか?
これらは変木の柱であるムロ等にも時々見られる仕上げ方。
コントラストがあった方が面白いのかもしれないが、
個人的には伊吹のキレイな薄いピンク色のままの方が、
形は不気味、色はカワイイ、って感じでいいのかと思う。
銘木類に関して付け加えておくと、
加工して不足な部分は色付けなど行い良く見えるように仕立て上げる事は良くあることで
例えば槐の床柱の黒い色は石灰を使い色出ししているらしいし、
秋田杉の優しい色合いの柱類はカビ止め等の何か処理を行っているらしい。
舟板、水車板類は水で使い込んで苔が付着した緑色風味を出す為、
色付けされている事が多いらしい。
より自然に良く見えるように、材として価値があるように見せる為のテクと言えるだろう。

因みに一部欠けてしまった伊吹の木片を昨日からポケットに忍ばせ
香りを嗅ぎながら仕事をしている。。
あぁ・・いい香り♪