MUKU-DATA  栃一枚板 天然乾燥25年  

先日、某市に昔の栃が5枚出てるけど、どうする?と写真が送られてきた。
大きいねぇ・・
25年って、乾燥などは問題ないね・・
削ると杢もキレイそうだねぇ・・
反りと辺材の虫は?
問題は単価だねぇ・・・ 荷主さんの指し値はいくら位ついているんだろうね・・
まぁ自分だったらここまでかなぁ・・と競り具合では多少は越えてもいいですけど。。とお願いしておいた。

昔の材は魅力的である。
なんといっても天然乾燥期間が長いことが最大の魅力であり価値でもある。
木は乾いていないと使えない。
天然乾燥の場合は材種にもよるが最低2~3年、材によっては5年、10年と
なかなか水分が抜けないものもある。

この目に見えない(仕上げて一枚板の商品として並んだ際に)時間、
養生保管期間という価値は、ほぼ皆さんには分からず仕舞いで、価値判断基準からは外されている。
木は古ければ古いほど、価値がある。天然乾燥期間が長ければ価値は高い。。は、
かつての一部の銘木屋の価値観だけになってしまった感は否めない。

25年・・・ 今2021なので 1996年頃に製材された栃ということになる。
大きな一枚板の大木からすれば、25年はたいした長さではないし、
樹齢何百年という材もあるので、
「木」を扱う視点から見るとさほど長い期間とは言えないのだが、
25年前ってオレ何してた?・・その間いろいろあったよなぁ・・・と
人からの視点でみれば、随分と昔の話に思えてくる。
25年も在庫持ってるって大変だし、
世の中1周どころか今の時代2周も3周もする速度で動いているし・・
そう思うと木って一般的に流通する物とは違い、
何か特別なもののようにも思えてきたりする。
これからやっと陽の目を浴びて商品として仕上げられ、ある人の元へ嫁いで、
長く長く使われながら次の世代へ受け継がれていく。。

25年間東北のとある木工所に眠っていた大きな栃の一枚板が
今、ここ木材倉庫へ来たのも偶然なのか・・?何か縁を感じたりする。
25年保管されていた持ち主さんに対して敬意の気持ちも沸いてくる。

この昔の栃一枚板、5枚市場へ出されたうちの2枚は関東へ
3枚は弊社木材倉庫へ向かい入れる事となった。

昔の栃一枚板 ①変形 天然乾燥材 未加工