
■ MUKU-DATA 杉丸太 4m 径40~50cm
毎朝出社して、先ずは土場や工場内を一周する。
今、何を挽いているか? 何が不足して何が溜まっているか?
一通り自分自身がやってきた事なので
仕事の内容、次に何をやろうとしているか、そして社員の性格まで見えてくる。
先日の定例市で仕入れた杉の丸太を昨日、何台か引き取ってきたようで
土場には杉丸太が多めに積んである。
25年ほど前はこれらの大きめの丸太は結構な単価で
上小節以上の役物を挽くのに必要分をその都度手配していたが
今はこれら大径木丸太はその当時と比べるとかなり安く入手できる。
(この辺は林業自体が補助金などで賄われているのか?何故にこんな単価なのか
詳しく調べる必要があるのだが)
※大径木(たいけいぼく)とは
日本農林規格(JAS)末口の直径が30cm以上の丸太を大径木と定義
小径木は14cm未満、中径木14~30cm未満
中径の丸太は、中目(なかめ)とか中目丸太と我々は言っている。
30cm以上がJASでは大径木と定義されているようだが、
感覚的には大径木というと60cm以上の丸太辺りからといった感じ
30cm、36cmはどちらかというと中目丸太という感覚でいる。
米松丸太をやっていた時には30cm未満の尺下(しゃくしも)と30cmを越える尺上(しゃっかみ)では単価が違っていたので
トレーラー一台分に2割程度、尺上を入れておいてなどと発注していた。
こういった丸太の多くは横架材である構造材として使われるので
量的には30cm以下の中目丸太の需要が多いが(桁材と尺下の梁材)
近年、尺上材を量産できる製材機があると何かの記事で読んだことがある。
杉丸太を芯から2丁取りすると、どうしても左右に反りが生じてしまうので
必ず直材にする為に修正挽きを行う必要が出てくる。
芯持ち材を挽くよりも手間と時間が倍必要になってくるが
近年大径木の活用が方々で言われているので、そういった量産型の芯去り用構造材の
製材機も開発されているのだろう。
話が逸れてしまったが、
今朝、土場に積まれてある丸太を見ていると何故か気持ちが揚がってくる。
素性の良さそうな丸太が多くあるのできっと嬉しくなってくるのだろう。
他県の製材業者さんなど来られると、良い丸太が多いですねと
時々言われる。
うちらの方の杉は目が粗くて・・とか、色が悪くて・・とか・・
新潟では「杉と男は育たない」と昔から言われてきた言葉だが、
確かに男子はそうかもしれないが(女性がしっかりとしている印象)
新潟県内でも、昔から村上の最北端の山北地区の丸太は
目詰まりもよく木味がいいと定評があり、ある意味ブランドになっていた。
土壌や気候も多少は関係するのだろうけど
きめ細かな手入れも良かったのではなかろうかと思う。
新潟は女性は勿論のこと、
杉も良材が多いし、最近は男子も良い男が増えてきたねって
言われるようにならなきゃですね。
だれの言葉かわかならいのだけど
「花よりも花を咲かせる土になれ」
座右の銘など普段ほとんど意識なく持っていなのですが、これ好きな言葉なんです。
黒衣の材木屋にはしっくりとくるんですよね。


















