MUKU-DATA  黄檗(キハダ)キッチンカウンター用 

仕上げた一枚板のキハダと欅を先日現場までお届けしてきた。
加工前の粗木ではなくサンダーで仕上げてあるので仕上げ後の一枚板の配送は
傷めないように気を使う。
雨の日は少しでも水滴が当たると染みになり材種によっては取れ難いので
尚注意が必要となる。
キレイに仕上がった状態のまま現場へお届けして一つの仕事が漸く完了となる。

あいにくの雨だったが晴れ間の瞬間、室内へ搬入し
あぁ・・無事で良かった良かったとホッとする。

ここから更に大工さんと現場監督さんのどう見せるかの木取りの検討が始まる。
欅の4mカウンターは向ける方向は加工前に決まっていたので
少し伸びた長さのどの部分をカットして取り付けるか?
少しでも良く見えるように左右のカットする部分を検討している。
そして黄檗(キハダ)は対面キッチンの部分に取りつくキッチンカウンター(笠木)
一部袖壁が立っているのでその部分を切り取る必要がある。
元を右へ向けるか左にするかで切り取る部分も変わってくるし見え方も違ってくる。
大工さんと現場監督さんはあーでもないこーでもないとキハダの板を前にして
あれこれと相談していた。
量産される集成材であれば、こういった事にいちいち時間をかける必要もないだろうに。。。
一枚板の場合は常に、こういった見立てる作業が必要となってくる。
もちろん、どちら側から使っても特に問題はなく
それなりに天然素材らしさは出てくるかとは思うが、
もっと良く見えるように。。である。
この作業は完成後に見え方に大きく差が出てくるかと思う。
帰り支度をしていると、監督さんからどっちが良いと思う?と聞かれた。
自分だったら・・と施工性も考慮して(見え方を一番に考えてはいるが)
ここをこう向け、木取りしては?と意見を言う。
そして+α、この木の最大の良さとキャラはこの根本付近の曲りと縮み杢部分だから
ここを見せてあげたいですよね・・と 少々生意気かもしれないが言わせていただいた。
(言うと大概そうなってしまう事が多いので、自分のできる範囲内の事しかおこらず
それ以上の意外性など出てこないので、最近はなるべくその木の特注のみを言わせていただき、どう使うのがいいかは先方のアイディアを尊重するように心がけている。そっちの方が面白い事が起こる事が多いし、もっと可能性は広がるであろうから)
傷めずに現場へ運んで、一応一連の仕事は完了するが、
毎日木を扱う立場からのその木の特徴などお話させていただく事も
取り付ける際の判断材料に一つになるかもしれませんね。
その点、意見を求められたら、
そこまお話させていただくことが
材木屋として求められる仕事なのかもしれません。