MUKU-DATA  栃 ブルーステイン+スポルテッド 3.6~4m


3.6~4m 巾500~700mm程度のカウンターサイズの栃を削った。
木口から見たら、もっと青が入っていて、もっとスポルテッド模様がウニャウニャしているかと思っていたが、意外とおとなし目な表情だった。
栃のブルーステインでちょっとスポルテッドの入っている材です。というと
何だか少し耳触りが良く良い材に思えてくるけど、
それって、カビだろ? スポルテッドって腐る前の菌の這った痕だろ?といわれると
一般的にはそう、おっしゃる通りのB~C材扱いとなる。

これからはじまる冬は丸太製材のシーズンでもある。
水揚げが納まり静かにしている立木の伐採は寒伐りが基本、
特に栃や楓など白い木は夏に製材すると水分を多く含んでいるので
製材された材には青カビが入ってしまう。
青カビを取り除く薬品もあるが、結構強力で赤身まで色を落してしまう。
過去にボセの辺材の白太部分に入った青を取り除く為に
カビ抜き材(名前は忘れた)を使って青抜きする際に、
ボセの赤身の淡いピンク色の部分まで色落ちして真っ白にしてしまった経験もある。
全体に白くなったボセが、青が入っていた時よりも何だか不自然に感じた。
それ以来、カビ抜き材を使う事は止めている。

シーズンオフに挽かれた栃材など夏場に市場へいくと
板に扇風機で風を送っている光景を目にするが、それは青が入らないように風を当てている。
適切なシーズンに製材するという事が無駄な手間をかけることなくいい状態で
一枚板類をキープできるという事になる。

それって青黴と菌の痕って昔は言えなかったけど今こうして堂々と言えるのは
まぁ、それはそれでいいんじゃないの・・
そういった方が好きっていう方もけっこういらっしゃるしね。。
っていう木の価値観の変化を感じているから。

欲を言えば、青の入り方、カビの這った模様の出方、
これが美しければ通常の純白な栃よりも個性的で良く見えるって事もあるのかと思う。

自然体が一番、自然体が最強とも言える。
それがあなたの個性なんだから。。。