MUKU-DATA  本社製材工場 2023 3/8 今朝の様子

毎朝、出社すると日捲りカレンダーをはがしお湯を沸かして
工場の敷地内を一周する。
丸太の状態、製材した造作材等の様子、今、製材している仕事の流れ・・等
確認することがルーティンとなっている。
家業を継いで30年ほど経過したがその時代時代で、製材するもの、取り扱う材等
変えながら製材業を続けさせていただいている。
都度、土場に置いている丸太も変わり、工場内の景色も変化してきた。
今朝、工場を眺めていて、ほぼ8~9割がた、杉だなぁ・・とあらためて思う。
入社当初は、杉以外に、米松は構造材で使っていたし、
土台はラクといって唐松も挽いていた。
赤松は野縁、胴縁を挽き、紅松の造作用の選木の丸太もあった。
一時、米松に変わりニュージィーという松も入ってきたが目粗で定着しなかった。
杉は根曲がりを隅木として製材、玄関ポーチ桁は裏面まで3面無地の
役物を挽くのに苦労した。
KD材製品が主流となり、その後は米松丸太をトレーラーで暫く入れていたが
(米松は屋根タルキなど直材の長尺材、等に向いていた)
あまりの高騰で3~4年前に完全に米松は止めてしまった。
現在はご覧の通り杉丸太が中心である。
杉の丸太といっても径の大きさで製材するものは違ってきて、
小径木(14cm以下)からは芯持ちの母屋・芯持ちタルキなど製材し、
中目材(30cm以下)からの14~18cmからは芯持ち柱、18cm~28cmほどは梁・桁材など製材
30cm以上の材を尺上といい、40cm超えると大径材などと言っていますが
大径木というと我々の感覚だと60cm超えの意味合いが強いです。
弊社が主に製材するのは比較的大きめの40cm前後の素性の良い丸太が主流です。
赤身の部分は赤の外壁材、デッキ材、外部造作材を製材し、
辺材部分の節の少ない白太部分は白、赤白の造作材を主に挽いています。
製材後は立て掛けて天然乾燥を行い、
注文サイズに応じて建築用造作材を再割りして作っています。

広葉樹に関しては時々丸太を製材し、
製材後は木材倉庫の方移動して桟入れして天然乾燥させています。

米松を止めて数年経過しましたが、随分と杉だらけ、
杉材の工場に変わったなぁ・・と今朝眺めていました。
杉材の工場と言っても、柱、梁・桁を量産する大きな製材所ではなく
細かな注文に対応する造作材製材工場へ変化したといった感じです。

材を製材するのは、建築のこと、そこで使われる部材の事がわからないと
適材は挽けません。
その点、弊社製材の石川は建築の事もある程度知っていますので
適材適所、使う側の立場で木取り製材を行えるのでほぼ問題はありません。

おたくの製材工場は何が得意ですか?と聞かれれば
造作材ですかねぇ・・と 今はそんな感じになっています。

質の良い造作材をお求めの際は是非、お声がけいただければと思います。