MUKU-DATA  クラロウォルナット一枚板 加工:中山大工さん

木材倉庫にある一枚板は、製材後間もない未乾燥な材を
まず日頃手入れしているように、樹皮を剥がして割れ止めを塗り
必要に応じて鎹を打ち込み、桟積みして2~3年程度、天然乾燥を行う。

その後、表面を削り平らにして皆さんに見ていただけるように倉庫に立て掛ける。
一旦は平らにした一枚板でもその木が本来持っている癖はなかなか抜けきれず
立掛けている間にまた少し反りや割れなど生じる事も多い。

嫁ぎ先が決まった後に
再度、もう一度削りなおして最終仕上げのサンダー掛けを行っている。

最近では板業界では画期的な高周波プレスという、ある程度反った板を
平らにできるプレス機もあるが(まだ依頼したことはないのだが)
聞く話によると一旦平らにできても
木の癖はなかなか抜けきれずにまた少し反りは戻ってくるらしい。
木+反=板  木+平=枰になった時、木の癖を攻略したことになるだろうか・・

再度平らにする工程で、それぞれの材の特性を見極めながら
最終加工方法を決めている。
今回のクラロウォルナットは板に製材されて5年程度は経過している材ではあるが
立掛け時に反りが強めに生じてしまったので
例えば一律に表・裏の反りの平面を出す、NC加工機やプレナー加工機に通すと
厚みが薄くなり過ぎるので
木裏側の出っ張った背の部分の癖を
テーブルの脚が当たる部分約700~750mm程度まで平面を出し
木表に関しては両端部分の反り上がった箇所を電気鉋~手鉋を使いながら
材の状態を見て触って手で微調整しながらなだらかに削って仕上げる事にした。

両面、キッチリと平面は出ていないのだが(平面を完全に出すと薄くなるので)
テーブルとして使用する際は支障のない程度に仕上げていった。

指先の感覚というのは自覚している以上のものがあるのかとは思うが
1mm、2mmのなだらかな段差は、
平面加工機で一律に平らにされたものとは別な微妙な感触を感じることができるし
人が手で仕上げた材面というのはどこか温かみを感じる取ることもできて
意外と触り心地のいいものを感じる。

両端の反り上がった部分に手鉋をかける姿をみながら
右引きも左引きもできるんだねぇ~と感心しながら、
削った微妙な材面を手と指先で触りながら、確認をしていました。