■ MUKU-DATA クラロウォルナット / バストゥーンウォルナット
並べられていたクラロウォルナット。
出材されたS氏曰く、ジョージナカシマから
直接いろんな木の事、ウォルナットの事を教えてもらったらしい。
並んだクラロやバストゥーンの一枚一枚を見ながらの
ご本人の木の見方、見立て方、評価の仕方が独特で面白い。
通常の一枚板業界の材木屋の評価とは異なるところが
面白くていい。
クラロ、バストゥーンに関してのいただいた資料は
S氏ご本人作成のものか思いますが、
抜粋
【クラロ・ウォルナット】
クラロの名は材木業界の通称で、ハインズ・ウォルナットを台木に
イングリッシュ・ウォルナットを接ぎ木した台木部分をいう。
あるいは、カリフォルニアのハインズ・ウォルナットも、黒味筋が強い
野性的な杢目が出ることから、接ぎ木でなくてもクラロと呼ばれることがある。
接ぎ木すると、細胞同士が拒否反応を起こし、墨流しの杢目が出たり、
外皮に瘤芽が噴き出して葡萄杢が出たりする。
茶褐色をベースに黄・赤・紫系といった多くの色調が混成し、
そのカラーミックスは他のウォルナットにはない色の豊かさと深みがある。
柾目も美しく、芯割りでブックマッチにしたテーブルは有名である。
【バストン・ウォルナット】
ハインズ・ウォルナットとイングリッシュ・ウォルナットが自然交雑してできたもの。
1890年に発見された希少種。白太が厚く、そこに墨を流し込んだような杢目は
芸術的な美しい模様となる。
15%以上に乾燥すると、白太はベージュからグレイベージュに変化し、
それが茶褐色から黒の色調と相まって鮮やかなコントラストをつくって
格調高く強い存在感を放つのが特徴。
山深い森の中ではなく、日当たりのよい土地柄で育つため小枝痕が多いが、
それが独特な景色の杢目となる。
小枝と白太の特長を生かしてうまくデザインすれば、これ以上に面白い木はない。
追記:2019 10/15 バストゥーンウォルナット