MUKU-DATA  神代栃 瘤杢    SOLD OUT

昨年の暮れから続いていた鳥海山神代木の製材も
昨日神代栃の瘤を製材し、弊社にあった鳥海山神代木の製材は全て完了した。
5月の末に製材機が壊れ、お盆明けまで動かせなかったことで
ひと夏を越えてしまい、十二分に庇の下で養生をしていたのだが、
やはり丸太の痛み(中までの大きな割れ)は大きかった。
一昨日挽いた神代桜、先週挽いた神代栃など
小さな木工部材はとれるのだろうが、大きな一枚は取れなかった。
さすがに数千年の間、土の中に埋もれていた木の神様を扱わせていただくことは難しいと
身をもって実感している。
あまり大きく期待するとショックが大きいので、この最後の神代栃の瘤も
きっと中はバキバキかもなぁ・・とは思っていたが、
ずっと毛布をかけて覆っていたことが良かった?のか(夏暑かっただろうね)
最後の神様はそのままの姿で顔を出してくれチャンスを与えてくれた。
既にSOLD OUT品とはなっているが、
これはこの瘤が上手く挽ければその販売方法など事前に話し合っていた方々がいるので
貴重な材を活かしきった形で
またどこかでお目見えすることもあるのかもしれない。
神代栃の瘤の製材、貴重な経験としてここに留めておくことにした。
さすがの名人石川氏も今回は瘤で座りが悪いので
ワイヤーで吊り上げて台車に設置。(吊って設置するが本来の正しい台車を傷めない方法)
何度も挽く方向を見定める。
割れ止めを施し、秋晴れの今朝の神様たち
この瘤が付いていた原木 4/30 撮影
こちらの大きな神代栃丸太は入手できなかったもの
これを所有する製材工場で製材され市場に数枚並んだが、
大きさはあった板だったのですが痛み、反りが大きかった。
結局この丸太から挽かれた3枚とその端材も縁があり弊社に嫁いできて保管してある。
今回挽いた瘤と同じ木という事になる。
昨年から神代、神代と、ここ数日は集中的に神代木の製材を行っていたので
画像がグレーに染まってしまったが、
興味関心のない方からしたら、なんだこの丸太?腐った木か?なんて思われるかもしれない。
製材した端材を何個か事務員に見せるも
怪訝な顔をして決して「いいねぇ」「きれいだね」という言葉は出てこない。
得体の知れない変なものとして見ているのか・・・
仕方ないのかもしれない。
それでいいのかもしれない。
因みにだが、昨年限定販売されたウェグナーのCH24 Yチェアーはご存じでしょうか・・
材種は「Ancient Oak(エインシエント・オーク)」
埋れ木:神代木のカラーを特殊技術加工で模したフレーム材が使われているのです。
(模したですけどね)
木が好きになり深みにハマり行きつく先の一つに神代木があるのはよく耳にする話です。
あのガサガサした泥だらけの丸太が製材時に放つブルーグリーン
木の事を良く知らない人でも、あの瞬間、
帯鋸を通り過ぎて現れた挽き肌から発せられる色とオーラにはきっとハッとさせられるかと思います。
そして静かに一見地味に、目立たず気づかれず、ひっそりと佇んでいる材たち。。。
この時代の人間たちを横目で見ながら
なにをそう急ぎ狂ったように踊っているんだ・・
と思われているのかもしれませんね。。。

コメントを残す