■ MUKU-DATA 堀建築さん 新潟市北区 天井:目透かし/斜市松網代+桜丸太 板畳:ラオス松
堀さんって30だったっけ?
もしかしてまだ20代後半だったかもしれない。
自邸を作るにあたって真壁和室1間をどうしても作りたかったらしい。
当初は格天井に挑戦したいと言ってはいたが、予算的なものなど格天は断念。
しかし、真壁和室など造作経験も少ないのに、
自らの家だからこそ、いろいろと初めての造作を試みていました。
やったことのない事をやるのは気力、労力がいるものです。
和室造作の魅力の1つは天井です。
少し変形した和室だからこそ、一部板畳(ラオス松柾目)として
その部分の天井は一段下げて桜の錆丸太を竿縁として、斜に編んだ杉柾網代を使用しました。
自ら銘木屋さんに足を運び使ってみたい材を選定して、
自らの手で試行錯誤しながら取付けていく事。
この当たり前の過程が省略される事が多くなりました。
本格和室をやる方からすれば、まだまだの造作と言われるのでしょうが、
やった事もない事、使ってみたい材料、など
師匠もいないのに自分で考え、手を動かしまとめていく事が
今の、これからの大工さんにとっていかに大切な事かと思います。
自邸だからできた事、
またもし許されるなら、好きにやってもいいよって言ってくださる方がいるなら、
やりたい造作はどんどんやらせてもらえばいいと思います。
新たな事をやるのは失敗はつきものですが、その次も見えてくるでしょうし。
そんな大工さんっていいって思いません?