MUKU-DATA  栃の辺材 変形一枚板 天然乾燥材

この栃の丸太を製材したのが2021年春だったのでちょうど4年経過した。
製材後に一枚板は皮むきして割れ止めを塗り桟済みして天然乾燥をする為に
数年寝かせる。
その際に、辺材部分の変形した板や小さな板は、桟積みすると梱包のバランスが悪いので
庇の下に立て掛けて天然乾燥を行う。
それらの辺材や変形した板類の整理を行った。
丸太を製材する際に、ある程度のカウンターや一枚板が取れるようになるまで
辺材部分を挽き落とす。
その際に変形した部分や樹皮が多く残っている材が出てくるのだが
それらはより立っていた時の木の名残を残していて自然木感を一層感じる事ができる。

こういった材は部材取り用で木取りして店頭に並べられる事も多いのだが
木取りするのは簡単だけど、樹皮の凸凹感、樹皮と材面の境界の曲線など
実にいい味、キャラを残している材も多く
ついつい、これ木取りして部材にせずに
このまま活用できたら面白いなぁ・・と手が止まってします。

樹皮を残しての小物作りの材取り用でもいいし、
薄めの板は看板材にもいいかもしれない。
曲線と辺材が残っている変形した板は室内へ取入れた途端に
その威力、空気感をガラリと変える力を持っている。

整理しながら、カットして部材取りしてしまおうかなぁ・・と
何枚か丸鋸でカットしたけど、
木取りした時点で、その材の持っている可能性の半分は
こちら側で決めてしまったとも言える事になる。

もっと自由に大胆に楽しい活用方法は
自分なんかの木取りより、ここを訪れてくれる皆さんのアイディアの方が
面白い事を沢山考えているのかと思う。

ですので、やはりカットするのは、途中で止めて
皆さんこの栃の未来を託すことにした。

色々な形、木目、そえぞれの個性
これらを見ていると気持ちが明るくなってくる。
個性豊かってことは楽しいことなんだなぁ・・と思う。