■ MUKU-DATA 茶道具 結界 材:水車板 煤竹 黒柿
先日、材を整理していたら水車古材の側板(輪板)を使い
縁は煤竹と板を受ける下の受け材に黒柿を使ってある結界が出てきたので
引っぱり出して眺めていた。
両端の脚も煤竹でできてあり、片付ける際に取外しができるような細工が施されてあった。
かつて数寄屋建築材を扱っていた銘木匠がオーダーして作られたものなので
ご本人にこの結界の事を電話して聞いてみたら
現物を見てないので記憶は曖昧だったが(師匠、ラインが出来るようになってください)
風炉先や結界、炉縁などは茶道工芸をやっていた風里谷藤五さんという方に
製作をお願いしていたのできっとその方に作ってもらったものかと思うと話していた。
過去に何枚か水車板や舟板は販売させていいただいているが
実際にそれらを使って自ら何かを作ってもらう経験をやった事がない。
舟板や水車板などの枯れた古材を見ていると、
ほぼその存在自体で完成されたものを感じる。
例えば敷板の花台として使うのではあれば舟板でも水車板でも
花器とそこに活けた花を引立たせるのに十分な名脇役としての役割を果たすだろう。
またそれらは室内に置いてあるだけで絵になって見えてくる。
では実際に自ら水車側板を使い写真と同じ結界を作ろうしたとしても
きっと同じようなものができる自信がない。
結界のメインの材である水車板の木取りが絶妙かと思う。
水車や舟板を内装材として使ったお店へ連れていってもらった事があるが
素材自体が全体で見て浮かずに違和感なく室内へ溶け込ませる事は
とても難しい素材なのだろうと感じたし
経験と場数を踏まないとそれらの素材を調和させるのは
難易度の高い素材のようにも思える。
この結界は見ればみるほど、
水車板のいい部分を木取りして煤竹のフレーム内に落しこんでいるなぁ・・と思う。
側板にあいたホゾ穴のリズム感、長く使われ浮造りされた凹凸、材の色あい、
両端の削った部分の絶妙さ、そして節までもが絵になって
物語と風景が見えてくるような感じになってくる。
一枚の板からどの部分を使ってどう見せるか?
貴重な材を生かすも殺すも木取りする人の目、センスにかかっているんだなぁと
あらためて肝に銘じる。



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■ MUKU-DATA 炉縁:黒柿 結界:一位
知識・作法は限りなくゼロ。
母方のばぁちゃんがお茶をやっていて、小学生の頃、行くと時々させられたが
なんで回し飲み(お濃茶)したり、茶碗を回したり、ひとこと言ったりとしなきゃいけないの?と。
儀式・仕来たりめいた事で余計嫌いになり、自分の中では触れてはいけないものとして封印してきた。
ところが材木屋を継ぎ、色々と材を扱い覚えていく中で、
ここ数年遊び心満載の数寄屋部材というものにグッと関心が傾いてきている。
思い起こせば、今年の始めはある方との出会いにより、数寄屋部材を専門としている東京の方に会う事からはじまった。
で、このブログに『数寄屋・茶室』というカテゴリーを追加した。
先日、工務店さんとそのお客様がお見えになり、炉縁の入った様子をみたいとの事で、
本格的な茶室ではないのだけど実家の和室の炉を見ていただいた。
炭が入れられ釜がゴウゴウと音をたてていた。
約40年ぶりに、お茶を飲んだ。
実家という事もあり、お客様にも是非寛いでいただきたいので、
ルールなどお構いなく、足を崩させてもらい、わからない事など聞いたり、
お客様と共に煙草なんかも吸わせてもらった。
実際にお茶会で煙草を吸う光景は見たことがないと言っていたが、
煙草盆なる物が現に存在しているのだから、吸って全然OKなのかもしれない。
ただ単に材を見に来ていただいただけなのに、お濃茶まではじまり何だか茶会みたいになってしまったが、
苦痛ではなかった。
数寄屋建築、茶室はなかなか機会は少ないが、果たしてどれだけの材木屋が的確に遊び心もプラスしながら
材の提案をできるであろうか・・・・?
お茶をやろうか迷っている。
どなたか、ゆるい遊び人の先生はいないだろうか・・
きっと誰しも、お客様や来訪者さんが来られた際は
楽しんでいただきたいという気持ちになるのかと思います。
『お茶』というと何だか大そうなイメージが膨らんであるのですが、
ただあったかいお茶を飲んでいただきたいって気持ちだけで十分なのかもしれない。
高価な物なんてなくてもいい、あったかい心の方がずっと大事だ。
そんな今の時代に合った『お茶を楽しく飲む場』というのを
なんとか生きている間にご提案できるようになりたいなぁ・・
酒の方は、まぁまぁ良く飲んでいるから、
茶室ではなく『酒室』なんてのもあっていいのかもね。
超侘びた酒室、
究極の酒室、
数寄者の酒室、
うん、いい。
こっちだったら今直ぐにでもそれなりに行けるかな?
材木屋として
『いまどきの堅苦しくない茶室』
『茶室のような酒室』
これ、一つのテーマとして来年も行こう。