■ MUKU-DATA 杉 腰板 t12 600~700 910mm
巾900mm 高さ2400mmの部分に何か木を張り変わった表情にしたいんだけど・・
数か月前に工務店さんから相談されて
羽目板とか材種は変わっても羽目は羽目だから、和テイストみたいだし
浮造りのかかった腰板を張りますか!?って事になった。
この部分を間接照明で照らすらしいから浮造り部分の陰影も出来て奥行き感も出るだろうし
ある程度樹齢のいった杉の木なので、求めている表情に近いのかもしれない。
ちょうど共木の4枚があったので、
玄関側を元にして室内へ伸びるように配置するか?
左右元裏ランダムにするか?
配達へ行ったら大工さんがどうやって張るのがいいかなぁと納まりを相談されたが
過去の例にいけば、裏面ボンドを塗りフィニッシュネイルで留めるとことで
特に問題は起きたことはないのだが・・
(樹齢のいった目細の木は収縮が少ない)
大工さんは相ジャクリして、ボンド留めだと板が割れるといけないので
逃げが効くようにボンドは使わずに左右見切りで押えるのはどうかなぁ・・?と
言っていた。
下請けで入っている大工さんだったが、面倒がらずにどう納めるのがいいかを
考えているようで、、
大工さんと一括りでは括れないちゃんと考えている大工さんもいることが救われる。
先週土曜日に工務店さんと木材倉庫へ来られたお客様
あまり木に関しては詳しい事は知らなかったとは思うのだが
何となく本物の木をトイレカウンターや玄関式台に使いたいようで、、、
一周、倉庫内の木を見ていただき
スポルテッドの縞模様に反応されているようだった。
スポルテッド模様がある材を並べて見ていただいていると
あきらかに、その線の見え方で選んでいらっしゃった。
線、木目もそうだし杢もそうだし、スポルテッド模様もそう
自然が創り出して描いてある線、輪郭、、
それがどこか琴線にふれ共振する。
自身はジャンルを問わず音楽鑑賞、鑑賞なんてもんじゃなくて流している程度が多いし好きだけど
ジャンルを超えて同じような部分に惹かれている事が多いと自己分析している。
木も全く同じで、その木だけが持っている木目にはリズムのようなものが流れていて
材種を問わずにそこに流れているリズム(木目)で
材を選んでいるようにも思う。
この杉の腰板にもある一定のリズムが流れている。






■ MUKU-DATA 組み木 左:欅材 右:橅材 T大工 作
フリーオープン土曜日(10:30~18:00)の木材倉庫には木を使って何かを作るいろんな人が
訪れていただいているが
そんな中、先週土曜日も組み木細工を趣味で続けている76才の大工さんがいらっしゃり
上の写真の組み木を見せていただいた。
右の棒状の組み合わせた木製立体パズルのようなものは
過去にどこかで触れた事があったかと思うが
左の欅を組合せて作った12面体寄木組木は、はじめて手にした。
大工さんの目的は昔の床柱等の端材の材種を知りたくて
何本か端材を持ってきたのだが、残念ながら半分程度しか材種同定できなかった。
見たことあるよなぁ・・この木、、 でも名前が出て来ず
折角きていただいたのに、すみませんって感じで。。。
それはそうと、この右側の12面体の組み木
3分割できるというが、どうやってもばらせない。
力を入れれば入れるほどに、、、分解できない。
説明書もあるのだが、通常の凝り固まった頭で外そうとしても外せない。。
75才まで現場で大工仕事していて最近引退
30才の頃から仕事を終えてから晩酌しながら
この組み木作りを趣味としてやっているらしい。
きっかけは子供の頃に触れた組み木だったらしい。
ほんと好きで毎晩毎晩、どう作ろうかと考えているんだなぁと伝わってくる。
組み木と言えば、からくり箱や
過去には火鉢の留めの部分の継手で捻じり組み継ぎや水組みなどと言われる
複雑な継手を見て一体どうなってるんだぁ・・と
モヤモヤした事があったが・・
先ず、何故にこのような継手を作るに至ったのか?
何の為の継手だったのか?
これらを作ってきた先日たちの技術には驚かされる。
材木屋になりたての頃に、名人と言われた今は亡き大工さんがいたが
何となくその大工さんと雰囲気が似ていて同じような匂いがした。
口数は少なく、眼光鋭く、作るを一筋、迷わぬ好奇心、
まさにまた「木材倉庫に天才現る」でインスパイアされた。
しかもこんな近くに天才大工さんが居たなんて・・・
もっと早くに出会いたかったが、今がそのタイミングだったんだろうか・・
無名な天才は身近なところにいるもんだなぁと思う。
久々にこれは作ってみたいし、次へ受け継いでいきたいと思い
教えてくださいとお願いしたが
無口な大工さんはうんともすんとも言わなかった。。
勝手に弟子入りを了承いただいたと思っている。
















■ MUKU-DATA ホワイトアッシュ巾ハギ デスク 2.4m → 2.2mにカット、補強
お世話になっている先生が別な大学へ引っ越しするとの事で
ここ最近、諸々とお手伝いをさせていただいている。
現在使っている家具類など引っ越し先へ持って行くらしく
「木製」に関してが弊社のお手伝いの範囲
2.4mのホワイトアッシュてデスクを2.2mにカットして裏側に補強用として幕板を取付け
本棚の製作、上下はスチールで支柱と棚板が木製
アイディアは先生が考え、それを我々が形にする作業
過去に一度やった事がある内容であれば、要領とコツはわかるのだが
先生的には「ないものは工夫して作ればいい」という考えの方なので
いつも初めて作るものは何らかのリスクが生じる。
建築家物件の建築もそうだし、家具もそう。
どうすれば問題なく形になるか?
試行錯誤、失敗、再製作、上手く出来た時の喜びは大きい。
重さ60kgあるホワイトボードのガラス版
これの受け材がどうやっても外れずに、先ずはどう作られているのかが分からいので
当時これを作った木工所へ電話して
多分こうだったと思うと曖昧な記憶を頼りに外し方を検討
印籠ジャクリして、受け材を固定してカバーをボンド併用で被せているらしく
受け材はホールアンカーを打ち込んでいるので
そりゃどうやっても外れないよね、、
引っ越し屋さんと私で前日一時間ほどあれこれと外すことを試みるもビクともせず
木工所に電話して大体の作りが分かったので
翌日大工さんと解体
鋸目を少しづつ入れてバリを使って剝ぎ取る作業
壊す作業なんだけど、手順を見ているとやっぱり経験がものをいうなぁと尊敬する。
外したガラス2枚を配送する為に、今度は引っ越し屋さんから
ガラスを運ぶ為の台が必要と急遽言われて
こちらも大工さんに相談して、材料を直ぐに手配して
早朝、大工さんに作ってもらった。
こういった現場にいると経験値のある大工さんの手際の良さに
ほんと助かるし、凄いなぁと思う。
自分は技術もないから何もできない。
せめてスケジュール管理、作業し易いように段取り、配送、掃除
その程度
今週は大工さんに特注の本棚製作をお願いしている。










■ MUKU-DATA 杉 白もく 造作材 加工中 3/4
大工さんがきて杉やWアッシュの造作材を削っていた。
窓枠材かな・・
大面部分は白で統一、指定があったんだろうか?
巾が狭ければ(5寸程度まで)大面白も作り易いが
広くなればなるほど、芯材の赤身に近づくので大きな丸太でないと白は取れなくなる。


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■ MUKU-DATA 八幡堀 舟板を外壁に ( 1/ 4 )
正月休みに京都へ行く途中に立ち寄った琵琶湖まで続く5kmほどの八幡堀
下調べなしで立ち寄ったが風情ある町並みと景観だった。
蔵の外壁の一部にはかつての舟を解体して部材取りした舟板を外壁として使ってある家も数件あった。
さすが、琵琶湖に続く街(舟板といえば琵琶湖、霞ケ浦など)
木の下見板、外壁は街の風情を演出する。
使われる釘も和釘の替折釘(かいおれくぎ)
黒くざらついた材面は焼杉にして張ったのだろうか・・・




舟が留まっていたので見てきたが、残念ながら木舟ではなかったが・・









木の下見板、舟板の再利用、石積み・・・ 堀・・
夜明けと共の早朝、ひと気もなく堀沿いを散策する。
そんな中で一番印象に残る下見板がこれだった。。

節のある巾広の板
共木の木もあるし、1本の木からカットした部位が違うのかどうか木目の違っているものもある。
樹齢のいった木なので節も大きめ
節は丸ではなく斜めに流れている。それが独特の模様となって迫ってくる。
無造作に貼ったのか、意識したのか?
バラバラなのにある一定のリズムを感じる。 張った大工さんのセンスか?

近づいてみると、材面は凸凹して、これはきっと名栗加工が施されている。
更に部分的に焦げた跡が残っているので表面を焼いた焼杉だったのかと思われる。
なぐって焼いて・・・
現状の材面からはそのような手仕事の跡が見て取れる。
まぁ焼くのは分かるが、その前工程で何故に名栗加工をしたんだろう・・・?
そしてこの節のある材の使い方
シビレてしまった。





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■ MUKU-DATA 新発田屋木材倉庫 (1/13)
倉庫を少しだけリニューアル中
テーマごとの素材を置く間仕切り壁が必要で数年前からしなきゃと思っていたのですが、、
なかなか材も保管してあり場所もなく・・
年末、強行しました。
ここにこの間仕切り壁を立てる事でその奥の材はリフトでの搬出はできなくなるのですが
そんなことを考えていてもいつになっても出来ないので見切り発車的、強硬手段に出ました。
劇的に倉庫内が変わる訳ではありませんが
少しづつ手を加え、材が見易いように、木材を見て何かの想像力が湧いてくるような・・
材木屋、材を提供させていただける場所へと更に深化できればと思います。
今年の木材倉庫の営業は 1/17(土)13:00~
まだ工事中で少し既存の材木が見辛くなっていてご迷惑をおかけしますが
少しづつ変化していこうと思います。
本年も宜しくお願いいたします。
1/8 十字の4部屋(1コマ3畳弱)のパーテーション製作中



1/13
傷んで商品としては販売できない材、
在庫が多くあり、こう使っては如何でしょうか?など
ラーチ合板でやめようと思っていたが欲が出てきた。
デッドストック材があるのは、材木屋の特権
杉の腰板は水害時に水を吸って木口から水を吸って染みになっている。

杉板の並び順や組合せを検討


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■ MUKU-DATA 栃一枚板 S型 縮み杢あり 未乾燥材
最近は日が短くて・・
朝は6:30頃にようやく外が明るくなってきて、夕方は4時過ぎると薄暗くなってくる。
毎日毎日、木は触っているんですが
朝一仕事や、よ~し今日は明るいうちにここまでやるぞ!とかで
朝のブログ書きがなかなかできずにいます。
先日引取ってきたS型の栃一枚板
打合せの合間合間に樹皮を剥がしています。
樹皮を剥がした部分には、やはり虫がいます。
もう冬眠でしょうか?せっかくのねぐらを壊してゴメンなんだけど・・
この仕事をしている限り、どうしても樹皮は剥がさないといけないので許してね。。
(自分が樹皮の内側で眠る虫だったら・・・ なんてことするんだ!(怒)なんだけど)
一方向に曲りのある木はあるけど、こっちへ曲り今度はあっちのS字型っていうのも
そう見ないよね??
よくぞこのままの丸太で搬入してそのまま製材してくれました!(パチパチ)
しかも曲りのある一部には細かな縮み杢が入っているではないですかぁ~!
この縮みってギター系の人にはダメなの?足りないの?細か過ぎるの?
もっと違う縮み杢がいいの??
いまいち、どこを見てどんな杢目を求めているのか
杢マニアじゃないからその辺は掴みきれていない。
んじゃぁペン系の人は?
栃の縮みはダメなの?冴えないの?これ位の間隔だとまだ足りない??
ペン系の人たちも凄まじい杢物を求めているので
おじさん、どの辺が刺さるのか勉強不足で・・すみません。
んじゃあ、建築系
こっちは長年足つっこんでる本業ですから、特に建築の中で使われる材、木材
建築系木材に関しては常にそれが頭にありますので
その視点で見た時に、S型のこの栃は結構面白い素材かと思うのです。
しか~し、なかなか皆さん冒険をしてくれない。。
こんな曲りのある木は使い勝手が悪いとか
今どきの小さな家のどこにそれを付けるんだ?とか
いやぁ、御尤も、そりゃそうなんですけどもね、
でもそれを考えるのがあなたたち設計士さんのお仕事でしょ!
昨日も某工務店さんの社長さんがふら~っと寄った際に話していましたが
性能ばかりの追求をするのは如何なもんでしょうか?と(高性能な家を作られているところです)
窓は出来る限り小さくして云々と
家って性能は勿論大切ですけど、
そこで暮らす人にとって優しい気持ちになれたり、人は自然の中のごく一部である事に気付かされたり
自分さえ良ければ・・じゃなくて支え合って生きている訳でして・・
(一人でも生きていけるわとイキガッテいた若い頃もありましたが・・反省)
そんな優しい愛情のある気持ちにさせてくれる室内って大切だよね・・と
そういったエッセンスの一つとして無垢材を上手く取入れられればというような事を
ちょっと力説していました。
し~~~~~ん
んだんだ、反論なし。模範解答120点!みたいな感じで、返す言葉がなかったです。
建築的(材木屋寄りの)視点でみれば
このS栃、もしうまく取り込めたら楽しい空間になると思う。
曲りがある、赤身一部に割れもある、ゆるく虎杢、曲りのある踏ん張った部分には縮み杢
頑張って自然の中で生きてきたんだね。。
木の特性から見ると、こういった変形した木は直材と違って捩れやすい。
既に少しネジレが起きているから、仕上げの際や取付けの際は、少し手間もかかる。
でもね、出来上がると良いと思うんだよね~
お店にあってもいい!お店に入ってこんなカウンターあったら、どこ座る?
対面に座ったって少しづつ視線もずれてくるし、自分の居場所、心地いい座りの良い場所
お気に入りの場所が出来ると思うんだよね。
好きな位置、それが自然体でしょ?
自然と他人とも会話も弾むと思うんだよね・・
そういったことって数値で比較できないよね、、
だからなかなか天然木の良さが評価されない、し辛い、数値化して比較できないんだけど
そもそも数値化って何の為にしてるんだ??
本物は良い、いいものはいい。
人間としての自分に正直にシンプルな思考で行こうと思う。













■ MUKU-DATA 差し鴨居 地松 製材して再利用
解体後新築、今まで使われていた差し鴨居を新築中の住宅に再利用したいとの事で
大工さんが古い差し鴨居を持ってきた。
材は松
築何年のお宅は分からないが材面には塗装されて赤黒く光沢がある。
磨いた古色というよりは塗装が塗られた古色といった感じだが
長く手入れ良く磨かれてきたのかと思う。
材は上下左右に反りと若干の捩れがあって、
今まではきっと建具の開け閉めはできなかったのではなかろうか・・
再度これを差し鴨居として使うには反り捩れを製材して落として
新たに鴨居溝を彫る必要がある。
古色風の色が落ちてしまうのは少し勿体ないかもしれないが
この反りを落さないとそのまま付けても建具の開閉ができないので
製材して擦り落とす事にした。
古い材はどこかに釘が打ち込まれている事が多いので
入念にチェックをするも、やはり数本小さな釘を見落としていた。
釘も一緒に挽いたことが、これ幸いして新たな材面は帯鋸目の痕が通常の製材よりも
くっきりと表れた。
反りを落してから、プレナー掛けして鴨居溝を掘って仕上げようと考えていたようだが
帯鋸目の痕もなかなかいいものだねって事になって
このまま削らずに納めるかどうか施主さんと相談するらしい。
少し染色すると更に帯鋸目の凹凸も更に強調されるかと思う。
先代が作った家の部材の一部を新築時に組み入れるのも
過去現在未来とプツンと分断するのではなく受け継がれていくようで
いいなぁと思う。
今あるのは、過去の先代たちがいたからこそ
今は過去から繋がり、未来へ受け渡し行く為の途中
何でも簡単に捨てるのではなく、大切に未来へ受け繋いでいって欲しいと思う。








■ MUKU-DATA 杉 ササラ桁 4000 270×60mm
ササラ桁270×60mm、踏板280×35mm
床板は無垢材でも階段となると集成材を使う事が多いかと思う。
MDFに突板が貼られたものもあるし、ブロック集成材(積層材)もある。
一部メーカでは杉や桧の巾ハギ材を商品ラインアップとして揃えているところもある。
私が材木屋になりたての頃は、まだ大工さんは
階段材は手刻みしていた光景を現場でよく目にしていた。
ラワン材、ピーラー材、などが多かったかと思う。
それ以前は杉材で作られた急こう配で踏面の狭い階段が付いている古い家も
ある。
現場で原寸を起こして、大工さんがベニヤ等に原寸図を書き
それを基にして加工する。
建材メーカーから階段のプレカット加工できる階段材が出てからは
大工さんをはじめ、工務店さんの多くは階段はプレカット加工するものと
いう事が当たり前のようになった。
プレカット加工費は加工内容にもよるが通常の箱型階段であれば
プレカット加工費は1万円前後
それを大工さんの手刻みとなると原寸取りから作業場加工、現場取付まで
3~4日かかってしまうので
コストを抑える為には致し方ないことなのだろう。
これは上棟前までの構造材加工も同じくで、その殆どは今はプレカット加工へと
変わった。
久々に大工さんが原寸を当てながら鑿で加工している光景は懐かしい。
踏板(段板)のみ無垢材にするのであれば
隠しひなだん、側板などはプレカット工場で加工してもらい
階段メーカーには申し訳ないが、踏板のみ無垢材の加工を大工さん等が仕上げ
プレカットされたひなだんや側板を使い、
見えてくる部分を踏板だけにするのであれば、この方法がコストは一番安く
無垢材の踏板を使えるのかと思う。
(毎回、毎回、側板のみプレカット発注だとメーカーさんには申し訳ないよね)
今回はオープン階段でササラ桁はまるまると見えるので
大工さんの手刻みで作る事になったようだ。
少し手間と費用はかかるけど、無垢の階段もいいものかと思う。











■ MUKU-DATA 胎内市 杉井建築 杉井建築さんのインスタ
昨日杉井さんのところにちょっと用があって行ってきた。
若い頃勤めていた親方から頼まれて大工仕事の部分を請け負っているとは聞いてはいたが・・
作業場へ着くと「なんじゃぁ!これは!!」の光景が広がっていた。
材木屋になって30年、プレカットが普及する前の当初の10年ほどは
入母屋造りでの太鼓梁、丸梁、隅木、など伝統的工法で大工さんたちが
作業場で刻む光景は目にしていたのだけど
さすがに、こんな曲りのある丸太を相手に刻んでいる光景は見たことがなかった。
曲りがあるといってもせいぜい米松のB材丸太を使った少し盛っている程度で
上からの荷重を考えて盛った部分を上にして使っていた。
大引きは逆で床束があるので反対で使った。
木の特性を理解できる大工さんたちの経験と技術で家は作られていたし
今思っても、梁と交差した上引き、中引き、下引き材など
今の合板と釘で固められた家の構造よりむしろ丈夫で無駄がないように思える。
が、しかし、さすがにこんなグニャグニャの梁を扱っている大工さんは
弊社でのお付き合いのある大工さんではいなかったし
新潟県、全国でも、数える程度しかいないだろう。
ましてやプレカット主流の今の時代、何か物凄い光景に出くわしてしまって
杉井さんこんな材と向きあいながらこんなの作れるのね・・・と
分かってはいたけど、やはり凄いなぁ・・カッコイイ!、技術っていいなぁと思う。
左右上下に曲がった梁に基準となる墨を付ける。
芯墨を中心に、そこから何寸離れと各所に加工する墨を付けていく。
刻み終って最後は仕上げ加工をするので
材に打たれた墨、記号や印は全て消えてしまい、あとは建て前まで再確認のしようがない。。。
失敗の許されない緊張感ある作業だよね・・
そんな一発勝負の状況で1本、一カ所と鑿を入れる。
その部分には他の材を受けたり交わってくるので頭の中は組み上がりの状態を想像し全体と部分を行き来しているのだろう。。
そしてそこに大工道具を使った経験と技術が必要となる。
全開ではないか!
ぼ~っとしてたら間違ってしまうし、一カ所間違いそれに気づかなければ全てが
間違ってしまう可能性もある。
バカじゃできないし、温ければ後々全体に悪い影響が出てくる。。
度胸も必要だし体力も要る。
そんな人間力全開の仕事って他にあるんだろうか?
一生の仕事として人生を捧げるには十分過ぎるかっこいい仕事と思う。
それに比べて材木屋はどうだろう・・・
なんと生温いところでグタグタしているようで恥ずかしくなってくる。
加工を終えた材 シートを捲り見せてもらった。






墨付け、刻みをする為に杉井さんがシナ合板に描いた板図


柱材には桧、杉、朴ノ木、黄蘗(キハダ)、栗、榧(カヤ)など
色々な材が支給されていた。
自然塗料で着色するらしいが共通するのは比較的目細の材
特に土台は杉の赤で目詰まりが細かなものだったらしい。
材の耐久性、特性を良く知っているからこそ
材種の統一に重きを置いている訳ではないところはとても共感できる。
とかくなんでもなんでも合せればいい的な風潮が多いご時世に
本質を押えているなぁと思うし、これでも全然いいかと思う。
材種ではなくその場所に適した材質の方がむしろ大切

杉井さんの息子さんも大工さんの道へ進む事が決まったらしい。
技術が伝承されることを願う。


