MUKU-DATA ビーチ 2.75m t38mm→ S2S 36mm Pollmeier社

一昨日、ホワイトアッシュ、ウォールナットと共に、
ビーチ材を1B/L(3㎥)初めて入れてみた。
アッシュ、オークなどこの一年あまりにも材価格の上昇が大きかったので、
他材種の検討をすると共に、ときどき家具・木工方面から要望をいただいていた事もあり、少し置いてみるか・・っていうのが経緯。

ビーチ、ブナ材は元々、木目の表情も弱く見た目パッとしないし
イメージ的に材としては暴れやすい印象もあり、、
その他の材種で良いものが沢山あるので個人的にはあまりフォーカスしてこなかった材種だが、
最近家具屋さんで座った椅子の肘掛部分(割と大きめ)のビーチ材の柔らかな木目と色合い、そしてなんと言っても触り心地の良さで、、
ん?もしかして、ビーチいいかもなぁ・・って思ったりしていた材でもある。
粘りがある材なのか曲げ加工には適しているのだろう。。椅子に使われる材として昔から良く目にしていた材ではあった。
何故に漢字で書くと「橅」木無しなのか・・?
昔は生木から材として使うまでには難しかったのかもしれない。

ポールマイヤー社(ドイツ)のHPの開いてみると
等級は細かく分けられているようだが、日本向けの多くは一番最上級グレードの
Superior Beech Timberにあたるらしい。
個人的には赤筋の入ったレッドハートや節の多いキャビネットグレード等
キャラクターの強い材の方も興味はあるが、
それらは1コンテナ30㎥ほど集まらないと入荷するのは難しいらしく、
日本にはほぼ節の少ない最上級のグレードが主に入荷しているらしい。

一方製造されるサイズに関して見てみると、
厚さは23、32、38、52mm・・と揃っているが、
問題は長さで1.85m、2.15、2.45、2.75、3.05、3.35m。。止まり。
もう300mm 1尺、長いものを作ってくれれば、日本の建築用資材としても
それなりの需要は見込めるであろうに・・と思った。
家具・木工系の用材として問題はないのだろうが・・

他の特徴としては、
このほぼ均一な色合いかと思う。
ブナといえば白い木という印象があるが、これは全体に薄いピンク色になっている。
よく目にするブナで作られる家具類もこの色のイメージであるが、
これは乾燥過程でスチーム乾燥すると色が全体に淡いピンク色に均一に変わるらしい。
スチームで色付けしてるの?と聞いたが、色付けなどはせず、
ライトスチーム乾燥でこのような色に変色するとの事。
スチーム乾燥というとウォールナット材の色付けなど思い出すが、
過去このブログでもどこかの記事に書いたかと思いますが
実際、ウォールナット材をスチーム乾燥する際も色付けは行っておらず、
乾燥過程で色が浮き出て白太部分へも移っていくらしく、
現地ではウォールナットもホワイトオークも乾燥する為に同じ乾燥釜を使っているところが多いらしいので、
着色ではなく、スチーム乾燥の際に本来の木から色が浮き出て白太へ移る
というのが正しいようです。(聞いた話をそのまま書いてしまったのですが)
ここで過去記事を訂正させていただきます。
(まぁ今回も聞いた話なのですが・・信憑性が高そうなので)

ポールマイヤー社での乾燥方法は主には「ライトスチーム」でこのような色合いのものが多くあるようですが、
他に「フルスチーム」というやり方もあるそうで、その場合は材の色はもっと赤くなるらしく主には赤い木を好む中国向けが多いとも聞きました。
そしてスチームで乾燥しない「アンスチーム」乾燥材もそこの商社は取り扱っているようです(クロアチア産)

整理すると今回入荷したビーチ材は、
サイズ:L 2750mm 巾込み t38mm( S2S 36mm) ※S2Sは2面プレナー済
等級: Superior Beech Timber  ライトスチーム
メーカー:Pollmeier社(ドイツ)


初めて扱うメーカーや材種は必ず自らの手で梱包を解き、
素手で触りながら材面や材質など確かめつつ、立て掛けを行います。
材の印象ですが、品質は良いです。
あと他の広葉樹と違い、ほぼ狂いがありません。
(S2S後の品質仕分けが厳しいのかもしれませんが)
これは家具は勿論のこと、建築にも使いやすいのではなかろうか・・?!
板を再割して部材取りをまだ行っていませんが多分アテも少なく歩留まり良く使えるのでは・・といった印象です。

過去、ビーチ材として扱った事があるものとしては、
ビーチの無垢フローリングと500×30mmのブロック集成材程度だったかと思います。
今回入荷したライトスチームのビーチ材は
巾ハギ用のカウンター材、250mm巾以上は階段踏板材、棚板材・・・と
建築資材としても使えそうな箇所は多くありそうです。

今ロシア・ウクライナ問題の最中ですが、
今後も材の急騰なく安定供給されることを望みたいところです。
(既に無理っぽいけど・・)