MUKU-DATA  栃一枚板 皮剥き・割れ止め 木材倉庫にて


先週から集中して一枚板の手入れをしています。
昨日は一日中、栃を触っていました。
最近、市場に並ぶ一枚板の多くは樹皮を剥がしてあるものが多いのですが
剥がしが甘いものがあるので、再チェックしなるべくキレイに剥ぎ取るように
しています。(ここで諦めたなぁ・・とか触っていると分かります)
樹皮があるとその部分に虫が入り易いからです。
(剥がしたからといって入らない保証はないのですが・・)
これが結構地味な作業で、じゃあどこまでキレイに取ればいいか?なのですが
連休中は比較的電話も少ないので、この作業を集中してできるのは
気分的に余裕もでき一枚一枚に向き合える時間もあるので良いです。

樹皮を剥がしたら、今度は割れ止め、必要に応じて木口からカスガイを打ちます。
栃の木は一枚板で良くある板目部分の木口の中心付近から真っ直ぐ割れが入ることは比較的少なく、
むしろ、写真のような虎杢、縮み杢のある部分に小ヒビ(ピリ割れ)が入ったり
キャラクターでもある節周辺の杢目のある面白い部分からの割れが入る事が多いので
割れ止め塗布はその点を踏まえ他の材種とは違った部分に塗っています。
割れ止めの塗り方については、誰から教わった訳でもなく
今までの経験値で、割れが起きそうな部分を想定して塗っています。
全面杢は、全部に塗りたくなりますが、全部塗ると乾燥し難そうだし、、
試行錯誤しながらやっています。

昨日は雨で湿気も多かったので半日経っても割れ止めは乾かなかったです。
4月の冬から春に急激に変わる陽射しは板目を傷めるので直射日光を避けて
作業しますし、夏の暑すぎる日の屋外作業も板を痛めてしまいます。
乾く前の板って結構デリケートなんですよね。。

やはり、木が静かにしている時期の寒伐りされた丸太を挽き、
春が来る前に手入れを終えれば、材を傷めずに虫も付き難いのかと思います。

昨日は栃三昧の一日で、今日でいいところ手入れを終え、桟積みして仕舞う予定です。

この地道な裏方作業の手を抜かず続けるのは、
数年後、仕上げた時にきっと一枚板たちもそれに応えてくれるだろう・・
輝きを放ってくれるだろう・・と信じているからです。