MUKU-DATA  一枚板天然乾燥前の作業 8/6

5月末に市場で購入してあった一枚板を、昨日漸く整理ができた。
今回は未乾燥な生材は、5枚のみ。
木は乾燥していないと使えない。(使い方や用途によるが)
もう大丈夫かな・・と気持ちがはやり、仕上げてから
反ったり割れたりと過去に何度も痛い目にあっている。
製材した後でも木は癖が残る。
環境に拠って反ったり割れたり動いていく。
木は製材されて木材になってからも生きていると言われる所以である。

木目を見ると木の癖は読める。
挽き方で癖の出方も変わる。
木口からの少し割れが、今後どの方向へ走り割れていくかも、
全ては静かに木と向きあえば見えてくる。

木の癖を出してあげる目には見えない天然乾燥の期間がどれだけ大事な事か
毎日、木を扱っていると見えてくるし分かるようになってくる。

生材の一枚板の樹皮を剥がし、木表、木裏と状態を確認して
必要に応じて割れが広がらないように鎹(カスガイ)を木口に打ち込む。
割れ止めも、全面に塗れば乾きは悪くなるので必要箇所を見定め、
必要な部分のみ塗る。
一枚一枚に桟を入れて、数年間天然乾燥を行う。
それでも木は人間の思惑通りにはいかない。
人工乾燥、高周波プレス、・・など強制的に木の癖を取る機械も試してみたが
やはり天然乾燥に勝るものはないというのが現時点の結論。

だから、地道な作業を繰り返す。
2~3年後、奥から取り出し、一旦削る。そして倉庫に立て掛ける。
そこから木は更に少しまだ癖を出す。
販売先が決まったら、再度プレナーをかけ仕上げとなる。

仕入れから販売まで4年、5年先以上の長いスパンでの仕事となる。

これらの作業を完全にこなしても、木は思惑通りにはいかない。
じゃそれらを省いたとしたら・・・
もっと悪い結果になるのかと思う。。

4年後、5年後にどんなお客さんの元へといくのだろうねぇ・・
と思いながら地味な作業を続けている。
木材愛ゆえに。。